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「自分、ズバズバ言うから嫌われるんだよね(笑)」という人が根本的に勘違いしていること

人と一緒に生きていきたいのか、そうではないのか

 正直であることがいつも悪いわけでは決してありません。しかし、自分の思ったことをなんでも言える関係が必ず継続するとは限りません。  例えば生活がかかっている状況で、上司に思ったことをなんでも言うでしょうか。言わないわけです。それは自分にとって収入が重要だからです。  踏み込んで言うなら「正直に思ったことを言っただけ」と言う時、その発話者は受け手を舐めているのです。下に見ているのです。軽んじているのです。本人が自覚しているかどうかに関わらずそうです。  なぜならば「自分は変わらない。お前が受け入れろ」と言っているからです。非対称だからです。そして、非対称でありながら関係を継続させられると思っているからです。そこにあるのは上下関係です。

「傷ついたほうがおかしい」などという理屈は通用しない

 誰かと一緒に生きていきたいなら、その人が何に傷つき、何に喜ぶのか、知る必要があります。相手を傷つけないようにし、喜びの多い人生にしていく必要があるからです。傷つきが多く、喜びの少ない関係を生きたい人などいないからです。 「正直に思ったことを言っただけ」という人は、その人の傷つきを減らす気がありません。わざわざ教えてもらったのに、それを上から叩き潰して、傷ついている人の方がおかしいと言っているのです。  端的に言って、そんな人と生きていきたい人なんていません。だって、傷つけられ続けることが約束された関係なのですから。言っても変わってくれないことが明確な関係なのですから。  人生100年時代、これから何十年もそんな人と生きていきたくない、と思うのはとても自然なことです。  社会的に良いとされることを盾にして、悪気なく、人を傷つけ続けてしまう人たちがたくさんいます。そんな言い訳を手放して、大切な人と生きていくために、相手の傷つきをケアできる人が増えることを願っています。 【終わりに】 <被害者かもしれないあなたへ> もしもあなたが「正直に思ったことを言っただけ」とか「傷つく方がおかしい」と言われることが多い場合、あなたの大切にしている価値観や感情が中長期的に軽んじられつづけている可能性があります。それは、単に傷つけられること以上に、「傷つきを伝えてもわかってもらえない」という二重の苦しみの中に生きていることを示しています。 <加害者かもしれないあなたへ> もしもあなたが「正直に思ったことを言っただけ」と言ってしまう人である場合、これまでに深い傷つきを相手に与えていることが想定されます。嫌なことを嫌だと言ってくれている間でなければ、関係改善は困難です。言っても無駄だとなった時、傷つきは残存し、あなたは無自覚に加害し続け、いずれ関係は終了するでしょう。それは十年後か、二十年後かわかりませんが、「えっ、今更!? ずっといい関係だったじゃないか」と思った頃にやってきます。
DV・モラハラなど、人を傷つけておきながら自分は悪くないと考える「悪意のない加害者」の変容を目指すコミュニティ「GADHA」代表。自身もDV・モラハラ加害を行い、妻と離婚の危機を迎えた経験を持つ。加害者としての自覚を持ってカウンセリングを受け、自身もさまざまな関連知識を学習し、妻との気遣いあえる関係を再構築した。現在はそこで得られた知識を加害者変容理論としてまとめ、多くの加害者に届け、被害者が減ることを目指し活動中。大切な人を大切にする方法は学べる、人は変われると信じています。賛同下さる方は、ぜひGADHAの当事者会やプログラムにご参加ください。ツイッター:えいなか

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モラハラ、パワハラ、DV
人間関係は“ことば”で決まる

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