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パチンコ業界がおびえる節電要請バッシング。電気料金値上げ、電力不足に耐えられるのか

石原発言によって衰退したパチンコ業界

パチンコ節電

遊技されていない台は電力が抑えられる「省電力モード」などが搭載されるようになった

 そしてこの石原都知事の発言を発端にして、世論も業界バッシングへの方向へと流れていきます。根底にはギャンブルに対する根強い嫌悪感もあり、いつの間にか依存症の問題にも拡大してしまうことに。  行政はとかく世論に敏感に反応するのが常であり、特にパチンコという特殊な存在を抱えているだけに、警察は過敏なまでに対応します。まずは射幸性を煽るような広告宣伝を禁止し、いわゆるイベント的なものが表向きはなくなることに。さらに遊技機の射幸性を抑制するために規制を強化し、2018年の遊技機規則改正へもつながっていきました。  これでパチスロは壊滅的な打撃を受け、あまりに厳しかったため最近では緩和へと向かっていますが、既に多くのホールが休廃業に追い込まれました。そしてファン人口は2011年以降は減少傾向が加速、1000万人割れが常態化しています。

震災直後のバッシングは今なお風化せず

 震災直後のバッシングの影響は、10年経っても風化していません。業界側は遊技機に節電機能を持たせたり積極的に照明のLED化を進めたりと、批判されるようなことに対してしっかり対策を進めています。それでも何かあると批判される業界であり、コロナ禍でも緊急事態宣言下で営業を続けたごく一部のホールの所業が全体のバッシングへと繋がってしまいました。  だからこそ今夏の電力需給ひっ迫注意報が、再び業界への悪意ある視線に繋がってしまうのではないかと危惧しています。ただ、だからといって都庁のように営業中の店内照明を消灯したりしたら、それはそれで危険にも繫がりかねません。  一部のホールでは震災直後のように街頭照明を消したりしていますが、今はただひっそりと耐えるだけなのかも。せめて業界も努力しているんだよと伝えておきたいですが、ついでに節電の結果節約できた電気料金分、玉を出してくれればなと。  あ、節電しても電気料金が上がってしまうんだからトータルではあまり変わらず、やっぱりそれはあまり期待しないでおきます……。 文/キム・ラモーン
ライターとして25年のキャリアを持つパチンコ大好きライター。攻略誌だけでなく、業界紙や新聞、一般誌など幅広い分野で活躍する。
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