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秋葉原連続通り魔事件、死刑執行で考える「日本の死刑」のリアル(漫画)

拘置所を作った建設会社は刑場の場所を知ってる?

刑務官でも知らない刑場の場所。しかし、実際に拘置所を作った建設会社はどうだろうか? といえば、刑場ということは明示せずに入札が行われているという。 秘密を守るため、建設に関しては契約書が交わされ、中の図面のほか、施工に関わった人間の情報も刑務所側で管理するようになっている。

人が人を裁く難しさを実感した

死刑の裏側の一端を知ることができたが、そもそも作者の一之瀬はちさんは、なぜこのテーマで作品を書こうと思ったのか。 「もともと警察や刑務官という犯罪に携わるお仕事に興味があったのですが、あることがきっかけで刑務官の方と知り合い、お話を聞いたり、調べたりしていたところ、担当編集さんよりお声をかけていただきまして、刑務官のお仕事エッセイを描かせていただくことになりました。刑務官の作品を描くにあたり、避けては通れない死刑ですが、世間では賛成、反対の声がそれぞれあり、その実体はあまり明らかになっていません。その死刑の裏側を描くことで死刑について考える一端になれたらと思い、作品を描こうと思いました」(一之瀬はち) 取材を進めていくなかで、これまで死刑制度、死刑囚に対して抱いていたイメージで特に変わった点などはあるのだろうか。 「日本に死刑制度があることは分かってはいましたが、一口に『死刑執行』と言っても、拘置所内で働く刑務官、そして刑を受ける死刑囚もまた人間であり、様々な苦悩があるのだと思いました。作中で描いた、死刑に立ち会った刑務官たちがPTSDになってしまうことが多いというエピソードも、人が人を裁く難しさをよく表していると思います」(同) 加藤智大死刑囚の死刑が執行され、現在、日本には106人の死刑囚が拘置所に収監されている。どんなに世間を騒がせた凶悪事件であっても、刑が確定した途端、すでに“解決した事件”として済ませてしまう人が多いことは否定できない。死刑が確定したあとも、死刑に関わる人、そして被害者遺族たちの人生は続いている。死刑制度について考えることで、加害者の責任のみならず、その犯罪が起こってしまった社会的要因にまで目を向けなければ、痛ましい事件は増え続ける一方かもしれない。
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刑務官が明かす死刑の秘密

死刑執行に参加した男が語る極秘情報を漫画家・一之瀬はちが描く!!

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