女子会のノリで雑談をライブ配信、フォロワーが増え始める
「OL TikTokers」のTikTokアカウントの様子
結成当初は、音楽ランキングをチェックしながら流行りのダンスに挑戦したものの、思うような結果はなかなか得られなかった。
「この日までにフォロワー1000人達成しないといけない」という瀬戸際に追い込まれたある日、木下さんは
民泊サイトで部屋を借り、5人全員でTikTokのライブ配信をすることを決意。
この企画に他のメンバーは半信半疑だったそうだが、「一旦はやってみて、結果がどうなるか判断してみよう」と説明し、ライブ配信に挑んだという。
「正直、ライブ配信が初めてだったので、結果がどうなるか想像もつきませんでしたが、
女子会の延長線上で雑談を中心にゆるく配信を行ったんです。気づけば、夜の22時から翌朝5時までやっていましたが(笑)、無事に念願のフォロワー1000人を達成できたので、喜びもひとしおでした」
TikTokライブをきっかけに、“フォロワー1000人の壁”を超えることができ、日によっては
ライブの同時接続人数が2000人に達することもあったという。
「TikTokの運用を始めて3ヶ月目くらいから、ライブ配信をやるようになったんですが、その頃からいろいろな方にOL TikTokersを知ってもらう機会が増えたなと感じています。配信自体も、基本的に会社営業日の週5日は毎日夜20時から22時までやっています。社風や入社動機、働きがいといった会社のことなどに関するコメントに応えつつ、たまに採用の宣伝を織り交ぜながら楽しく配信していますね」
こうした取り組みが功を奏し、2021年12月にはTikTok経由で1人採用が決まり、着実に成果を出し始めた。これまでにTikTok採用で入社した社員は6名にも上る。
とはいえ、毎日TikTokの投稿やライブ配信をしていると、マンネリ化してくるのは否めないだろう。
その点、視聴者に興味関心を持ってもらうコンテンツづくりやリピートにつなげるための工夫はどのようにしているのだろうか。
木下さんは「会社の雰囲気がリアルに伝わるコンテンツを心がけた」とし、次のように説明する。
「他の会社ではTikTokの投稿内容として『ドッキリ系』や『ネタ系』など面白い動画を作って、バズを狙うものが多かったんですが、私たちは
会社のホームページや採用サイトには載っていない情報が伝わるように意識しています。また、
『〇〇社員の1日』や『オフィスコーデ』、『事業部やオフィスの紹介』、『OLの休日』など、差別化を図る意味でも他がやっていないような企画を考えるようにしていますね。
あとはOL TikTokers以外の社員にも出てもらうようにしていて、愛着が湧くようにあだ名をつけて視聴者に覚えてもらうよう心がけています。嬉しかったのは、
視聴者から会社宛てにバレンタインが届いたこと。ずっとライブ配信を見ていてくださっていたからの贈りものは、とても感慨深かったのを覚えています」
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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