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DJ KOO(61)、大病で変わった人生観「かっこいいDJから“みんなを元気に”」

手術後に変わった仕事観、価値観

――本書では過去を振り返りながら、DJ KOO流の「小さな習慣」(ルーティン)を紹介していくポジティブな内容ですが、どのように構成を決めていったのでしょうか。 DJ KOO:いつも僕がやっていること、考えていること、ノートに書いてあることなどを、まとめていきながら、担当編集者が「皆さんはKOOさんにこういうことを聞きたいと思いますよ」と引き出しを開けてくれたので、会話をしながら、「そうだ! こういうこともあるよね」という感じで決めていきました。 ――大きな手術を経験して、仕事や価値観など、変化したこともあるわけですか。 DJ KOO:まず仕事面ですが、この業界は「やらなきゃいけないから」と当たり前のように体を酷使している方が多いんですよね。僕自身もそういう生活をおかしいと思わずにやってきたんですが、人間ドックを受けたから今こうして生きているという気持ちが大きくて。今は健康第一で、以前のように無理をしなくなりましたし、もっと検診の大切さを呼びかけていかなきゃいけないなと思うようになりました。 定期検診に行った時も、そこで会った方に「KOOさんが動脈瘤の手術をして、元気になったのをテレビで拝見して、私の母も勇気づけられて手術をしました」「KOOさんのお話を聞いて僕も検査に行ったら病気が見つかりました」と言ってもらえました。僕の呼びかけによって、一人でも病気を早期発見、早期治療できたら本望ですし、今ではライフワークです。 ――KOOさんが元気で活動している姿を見ると、早期発見、早期治療の大切さに説得力がありますからね。 DJ KOO:あとは家族との関係性も変化しました。手術当時、娘は高校生だったんですが、それから成人式を迎えて大学に入って、家族それぞれが今まで以上に向き合うようになりました。手術した翌年、娘の誕生日に家族3人で食事に行ったんですが、娘が「本当に良かったよ。あの時に脳動脈瘤が発見されていなかったら、今年の誕生日はママと2人きりだったかもしれない」とポツリと言った時に、改めて家族の大切さを感じて。それからは家族のお祝い事が増えたんです。たとえば娘の試験が終わったら、特別なケーキを用意をするとか、ちょっとしたことも家族行事にすることで、家族のベクトルも一緒になって。これからも同じ船に乗っていこうねという気持ちになりました。

家族ぐるみで仕事に協力的に

――より家族の絆が深まったんですね。 DJ KOO:今、自分が持っている身の回りの物や服は、ほとんど家族からのプレゼントです。それってすごいことだと思うんですよ。先日も結婚記念日に「ママの化粧ポーチが古くなったから新しいのにしたよ」と娘が奥さんにプレゼントを渡していたんですけど、それだけ家族のことを見てくれているということなんですよね。勉強や仕事で忙しかったりもするけど、ことあるごとに家族行事を設けていくことで、日ごろから家族同士を見るようになって、サプライズを考えるんです。 ――今も娘さんと良好な関係を維持しているのは素晴らしいですね。 DJ KOO:僕が「買い物に付き合ってよ」と言うと、いまだに腕を組んで外を歩いてくれますし、リビングでテレビを観ているとゴローンと僕に寄っかかってくることもあります。今いろんなお仕事をさせていただいている中で、事前アンケートを書く機会も多いんです。そんな時、家に主婦代表と20代女子代表がいるので、「最近は何が流行っているの?」と聞くと、すぐに両方から答えがどんどん出てきます。僕の仕事に、家族ぐるみで協力してくれるのでありがたいですね。
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年の差に固執しないから見える世界
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出版社勤務を経て、フリーの編集・ライターに。雑誌・WEB媒体で、映画・ドラマ・音楽・声優・お笑いなどのインタビュー記事を中心に執筆。芸能・エンタメ系のサイトやアイドル誌の編集も務める。

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