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三宅裕司が語るラジオ・テレビ黄金時代「生放送なのに女の子の下半身が丸出しに」

「スーパー・エキセントリック・シアター」(以下、SET)の主宰として、44年に渡って劇団を背負ってきた三宅裕司さん(72歳)。  喜劇役者として笑いを追求する一方で、タレント、演出家としても活躍。数多くのテレビ・ラジオ番組で司会とメインパーソナリティーを務め、多大な影響を与えて来た三宅さんに、1980年代に一世を風靡した3つの番組『三宅裕司のヤングパラダイス』『テレビ探偵団』『三宅裕司のいかすバンド天国』の思い出を語ってもらった。

ラジオは“気の良い兄貴”みたいな立ち位置で

三宅裕司さん

――三宅さんが1980年代にパーソナリティーや司会を務めたラジオ・テレビ番組は、幾つも社会的なブームを巻き起こしました。その中から3つの番組をピックアップしましたので、当時のエピソードをお伺いします。まずは1984年にスタートして、三宅さんの名を一躍轟かせたニッポン放送のラジオ番組『三宅裕司のヤングパラダイス』ですが、どのような経緯でパーソナリティーに就任したのでしょうか。 三宅裕司(以下、三宅):僕がSETを結成する前にお付き合いのあった事務所「東京新社」のマネージャーが独立して会社を作ったんです。彼には「お笑いと音楽が融合したブルース・ブラザーズみたいなコメディーを作りたい」という夢があって、僕がSETでミュージカル・アクション・コメディーをやっていたから、「三宅くんしか頭に浮かばない」と会いに来たんです。当時、SETの動員を増やすためにも、劇団ごと売り込もうと考えていたので、その人と協力してニッポン放送のディレクターを全員呼んで、局内で一番大きな銀河スタジオで芝居をやりました。 ――ラジオ局で、そんなプレゼンをしたんですか! 三宅:それを見たディレクターの一人が、『高原兄のヤングパラダイス』の番組内に「S.E.T.劇場」という5分のコーナーを作ってくれて、音を使ったコントをやっていました。それを聴いていた高橋幸宏さんと作家の景山民夫さんが「面白いね」と言うことで、『高橋ユキヒロのオールナイトニッポン』にSETをレギュラーで起用してくれたんです。そこから、「ヤングパラダイス」に繋がっていきました。 ――それまでラジオを聴くことはあったんですか? 三宅:小学生のときは聴いていましたけど、ちょうどテレビの時代が到来したので、ほとんど聴かなくなりました。ただ『ビートたけしのオールナイトニッポン』はめちゃくちゃ面白くて、僕も聴いていましたし、誰もが憧れていました。実際、「ヤングパラダイス」を始めるときに、もっとリスナーを突き放すようなしゃべりはできないかというお話もあったんですが、「僕にはできません」と。自分なりのやり方でやらせてくださいということで、気の良い兄貴みたいな立ち位置でパーソナリティーを始めたんです。

打倒・吉田照美を旗印に

――その身近にいるようなスタンスが若者たちに受けて圧倒的な支持を集め、「ドカンクイズ」「あなたも体験 恐怖のヤッちゃん」「ヒランヤの謎」といった名企画が次々と生まれていきます。 三宅:「ヤングタイム」と言われる夜の若者向けの時間帯があって。その当時、ヤングタイムは文化放送のアナウンサーだった吉田照美さんがパーソナリティーの『吉田照美のてるてるワイド』が不動の人気で、ずっとニッポン放送は勝てなかったんです。それで打倒・吉田照美ということで、三宅裕司パーソナリティーで戦ったんですけど、なかなか勝てませんでした。それがあるときに逆転して、ニッポン放送が大騒ぎになるんです。ついに抜いたので泣いているディレクターもいたんですけど、「ヤングパラダイスの聴取率が3.4%だった」と聞いても、ピンとこなかったんですよ。 ――どうしてですか? 三宅:僕はテレビの司会も同時にやっていて、当時は視聴率15~20%を目標にやっているような時代だったので、どうしてこの聴取率で騒いでいるんだって、一人だけ訳が分かっていなかったんです。 ――ヤングパラダイスの企画は幾つも書籍化しますが、中でも「恐怖のヤッちゃん」はベストセラーになってシリーズ化、映画化までされるなど、社会現象になります。 三宅:あの頃は本当に忙しくて、僕は企画会議に参加していませんでした。月曜から木曜までの作家とディレクターが8人いて、そこにプロデューサーが加わって会議をやって企画を決めていたので、僕自身は実感がなかったんです。でもハガキの量がすごいから徐々に状況が分かってきて。決定的だったのが、番組の企画で視聴者のアイデアを募って、日清食品さんと共同で「ヤンパラフル」というインスタントラーメンを作ったんです。それで初めて「ヤンパラフル」の路上販売イベントを新宿アルタ前で開催したら、とんでもない人数が集まって。その光景をアルタの上から見たときに実感しました。警察まで出動したので、責任も感じましたけどね。
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幼稚園の頃からテレビっ子
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出版社勤務を経て、フリーの編集・ライターに。雑誌・WEB媒体で、映画・ドラマ・音楽・声優・お笑いなどのインタビュー記事を中心に執筆。芸能・エンタメ系のサイトやアイドル誌の編集も務める。

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劇団スーパー・エキセントリック・シアター 第61回本公演
「ラスト★アクションヒーロー~地方都市に手を出すな~」

日時:2023年10月19日(木)~10月29日(日)
場所:サンシャイン劇場

【作】𠮷井三奈子
【演出】三宅裕司
【出演】三宅裕司 小倉久寛
劇団スーパー・エキセントリック・シアター

劇団スーパー・エキセントリック・シアター第61回本公演は、とある地方都市に潜入した公安特殊部隊とスパイ組織による、極秘に開発された超小型スーパーコンピューターを巡るスパイアクション。純朴な町の人々を巻き込み水面下の攻防戦が繰り広げられる、男たちの熱き絆と友情の群像劇。劇団スーパー・エキセントリック・シアターが最も得意とする“アクションの集大成”。
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