「1000万円返ってこない後輩も」元セクシー女優が語る、“ギャラ未払い問題”が起きるワケ
2024年末、X(旧Twitter)のタイムライン上で「事務所からギャラが払われていない」という、セクシー女優によるポストが流れました。
「この令和の時代に、そんなことが……?」と驚きましたが、さらにポストを辿っていくと、このギャラ未払い問題に直面しているセクシー女優は、ひとりやふたりではないことが判明。
当時Xで、この問題について改善を求める声を上げていたのが、元セクシー女優にしてフリーAV女優連盟共同発起人、映像実演者協議会理事として現在も業界との関わりが深い、かさいあみさん。
「性母」と呼ばれるかさいさんのもとには、実際にギャラ未払いがある多くのセクシー女優からの相談が持ち込まれています。
「健全化」が叫ばれるセクシー業界で、なぜこのような問題が起こってしまっているのでしょうか。かさいさんがセクシー女優のギャラ未払い問題について語ってくれました。
――事務所によるセクシー女優へのギャラの未払い問題を知ったとき、あれほど「健全化」をアピールしていた業界で本当に?と驚きました。こういった例は、いまだに多いのでしょうか?
かさいあみ(以下、かさい):最初に、ちゃんとした事務所がほとんどだってことは皆さんには知っておいてもらいたいです。
ギャラの未払いについては、私も久しぶりに聞きました。私がデビューした2009年当時は、女優はそもそも自分が出演した作品のギャラがいくらなのかも知りませんでした。
だから事務所のなかには、ギャラのほとんどを事務所の取り分にしたり、未払いをしたりするところもありました。でも適正AVがスタートして、AV新法も施行されて……という流れがあって、女優には適正なギャラが支払われるようになったんです。
――適正AVがスタートしたときに、作品ごとに女優さんと契約書を交わすようになりました。その契約書に、ギャラの総額が明記されるようになったんですよね。
かさい:はい、だから未払いをするような事務所は、もう存在しないって私も考えていたんです。でも何人もの女優さんからいろいろな相談を受けているなかで「ギャラが支払われない」って声が、少しずつ出てきて。
さすがにこれは業界にとってマズいんじゃないか、と思って私が声を上げたら、ほかの女優さんからも「実は私もです」って声が届くようになったんですよね。
――事務所に所属している女優が、自分から声を上げるのはなかなか難しいですか。
かさい:やっぱり本人のブランディングや立場があるので、簡単ではないですよね。今はひとりひとりの状況をヒアリングして、弁護士さんと「どうやって未払い金を回収しようか」と相談しているところです。

かさいあみ
2009年ごろは自分のギャラを知らなかった
「業界の透明化」は進んでいたはずだったが…

単純に「本が好きだから」との理由で出版社に入社。雑誌制作をメインに仕事を続け、なんとなくフリーライターとして独立。「なんか面白ければ、それで良し」をモットーに、興味を持ったことを取材して記事にしながら人生を楽しむタイプのおじさんライター
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