業界人が語る「最終回まで見る/もう見ない」冬ドラマ6選。「役に入り込めていない」印象の主演俳優も
終盤に差し掛かっている冬ドラマの中で最も高視聴率をマークしているのは、進学校を舞台にした重厚な学園ドラマ『御上先生』(TBS、日曜午後9時~)で、初回の世帯視聴率は12.2%、2話が11.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で3話以降も10%前後を維持。
また、唐沢寿明主演のマネーサスペンス『プライベートバンカー』(テレビ朝日系、木曜午後9時~)や消防局の通信指令センターを舞台にした『119エマージェンシーコール』(フジテレビ系、月曜午後9時~)も安定した数字を残している。
そんななか、関係者が本当に面白いと思っている作品は何なのか? テレビドラマの業界で働く人々に「最終回まで見たい!」と思っているドラマ、「ガッカリしてもう見ていない」ドラマを本音で語ってもらった。
一人目は、制作会社でドラマ制作に関わる30代のプロデューサー・A氏に話を聞いた。
「期待以上の面白さで欠かさず見ているのは『まどか26歳、研修医やってます!』(TBS系、火曜午後10時~)ですね。
初々しい研修医が慣れない医療現場に奮闘しながら、恋愛も楽しむ“ありがち”な仕事ドラマだろうと思っていましたが、良い意味で“今”を取り入れた見ごたえのある作品になっており、驚かされましたね。
令和の働き方改革で定時退社をしなければならない研修医たちとそんな環境の変化に戸惑う医師たちを深掘りし、それぞれの葛藤や矜持を丁寧に描いており、どちらにも共感できるストーリーになっているのはお見事。
派手な手術シーンを描かなくても、シリアスな医療現場の盛り上がりを作ることができることを再認識しました。
特に、主人公・まどかを演じる芳根京子さんの演技が素晴らしい。
元気で活発なイメージだけが先行していましたが、その明るさとコミカルな表現力は生かしつつ、自身の無力さに悩みながら成長していく芯の強いキャラクターを非常にうまいバランスで演じている。この作品で一気に業界の評価も上がったと聞いています」
また、A氏に「つまらなくて見なくなった」冬ドラマについても聞いた。
「2話で見なくなったのは『相続探偵』(日本テレビ系、土曜午後9時~)ですね。
赤楚衛二さん演じる遺産相続を専門とする探偵・灰江七生が個性豊かな仲間たちと相続事件をコミカルに解決していくドラマですが、各話の事件内容やトリックに既視感を覚えてしまい、早々に脱落してしまいました……。
『ケイゾク』『SPEC』(ともにTBS)などのヒットドラマを作った西荻弓絵さんの脚本ですが、彼女が作る作品の魅力は個性的なキャラクターたち。
しかし、キザでクセのある探偵を演じる赤楚衛二さんが役に入り込めておらず、わざとらしいセリフや演出もハマっていない印象。
桜田ひよりさん、矢本悠馬さんといった脇を固める俳優がイイ味を出しているだけに、もっとぶっ飛んだドラマにしてほしかったですね」

公式HPより 以下同
働き方改革を描く医療ドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』
既視感のある設定・キャラで離脱した『相続探偵』

テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。
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