DJ KOO(61)、大病で変わった人生観「かっこいいDJから“みんなを元気に”」
ダンス&ボーカルグループTRFのDJ、リーダーとして四半世紀以上にわたり音楽シーンを牽引してきたDJ KOO(以下、KOO)さん。近年ではバラエティ番組にも出演し、底抜けにハッピーなオーラを醸し出す特異なキャラクターで、世代を問わずファンを獲得し続けている。
そんなKOOさんが初のビジネス実用書となる『DJ KOO流 心・体・脳(シン・タイ・ノウ)の整え方』を上梓した。5年前、脳動脈瘤という大病に見舞われ「もう命がなくなるかもしれない」というところから復活したKOOさんが、還暦を迎えた今、あらためて伝えたいこととは何か――本人を直撃した。
【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます
――脳動脈瘤が見つかったのは番組の企画だったんですよね。
DJ KOO:「主治医が見つかる診療所」(テレビ東京)の「芸能人徹底検査!人間ドックスペシャル」でのことでした。それまで僕は手術も入院もしたことがなかったし、大きい病気の経験もなかったところに、人間ドックを受けたら、いきなり脳動脈瘤が発見されましたと。普通だと2.4ミリあれば即手術なんですけど、僕の場合は9.8ミリあったんです。このままだと、左の目の中にある視神経を刺激して失明するし、破裂した時には、くも膜下出血や脳梗塞、さらには体が麻痺して命の保障がなくなるということを言われました。
――それまで健康だと思っていたのに、いきなり脳動脈瘤と言われても現実味がないですよね。
DJ KOO:周りは引いちゃっているし、もちろん大変な病気というのは分かっているんですけど、「あれ? 僕は今どこにいるんだろう?」と。収録が終わった後、改めて先生からの説明を聞いている時も気を失いそうになって。だって来週以降も仕事の予定が入っているけど、そこに僕はいない可能性がある訳ですからね。それを先生に言うと、「その可能性もなくはないです」みたいな……。番組収録をしてるぐらいですから自分の体に異常がない訳で、苦しいも痛いもないのに一体どうなるんだろうってふわふわ浮いたような状態でした。
――病気の兆候みたいなものはなかったんですか?
DJ KOO:もともと頭痛持ちだったので、徹夜をしたら頭が痛いなぐらいのことはありましたけど、そこまでの症状はなかったです。急に倒れる方が多いので、脳梗塞を「サイレントキラー」って言うじゃないですか。まさに、それに近かったんだと思います。
――KOOさんは酒もたばこも嗜まないんですよね。
DJ KOO:そうです。ただ不摂生な生活はしていました。DJだからという変な理由付けで、「夜中の仕事だし、寝る前にピザとプリン食って寝るのは当たり前だよ!」とか「朝から団子を食うぜ!」とか言って食べていました(笑)。「今元気ならいいじゃん!」みたいな考え方で、生活リズムと食生活は乱れていましたね。
――すぐに病気のことは家族に伝えましたか?
DJ KOO:収録が終わって、家に帰るまでの車中に連絡をして、「9.8ミリの脳動脈瘤があって、手術をしないといけないんだ」と伝えました。すぐにスマホで脳動脈瘤がどういう病気かを調べたみたいで、僕が家に帰ったら、奥さんと娘はあわあわしていました。
ただ、1日でも早く手術したほうがいいと言われたので、当日に決断しました。開頭手術をすることになったんですが、脳動脈瘤が大きいので、手術中に破裂してしまう可能性があると。だから今でも首に傷跡が残っているんですが、頭の上から首の後ろまで切って管を通して、脳に溜まった血を逃がしながらの大手術でした。
――入院も手術も経験がないと仰っていましたが、想像もつかないような大手術ですね。
DJ KOO:番組に来ていた先生が有名な方で、「不安だと思いますけれども、私に手術させていただければ、患者さんが命をかけて手術台に上がってくれる以上、私も命をかけます。私はKOOさんの病気を手術するのではなく、KOOさんの人生を手術するんです。これからの人生を、さらに元気に生活できるような手術をします」と言ってくれて、その言葉が心に響きました。
札幌禎心会病院で手術をしていただいたんですが、6時間半にも及ぶ手術で、術後も激痛で眠れないほど。付き添ってくれた妻と娘に見せたくない姿でしたが、そういう姿もしっかり家族と共有したことで、3人が元気であることが一番幸せなことなんだと実感しました。
番組の企画で発覚した9.8ミリの脳動脈瘤
DJだから「朝から団子食うぜ」
出版社勤務を経て、フリーの編集・ライターに。雑誌・WEB媒体で、映画・ドラマ・音楽・声優・お笑いなどのインタビュー記事を中心に執筆。芸能・エンタメ系のサイトやアイドル誌の編集も務める。
記事一覧へ
記事一覧へ
『あと10歳若くなる!DJ KOO流 心・体・脳の整え方』 還暦超えアーティスト元気の秘訣 |
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ