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山上容疑者に共感する人たちの知られざる胸中「怒りの矛先は、いつしか社会に向かっていた」

「氷河期世代でなければもっといい人生だった」

社会 41歳の山上容疑者が就職活動をした’02年は、若年失業率が10%台を突破していた時代で、就職氷河期だった。  山上容疑者は奈良県トップクラスの進学校に通いながらも、経済難で大学進学を断念。その後は自衛官を経て、非正規労働者として転職を繰り返したという。その経歴に同情する同世代は少なくない。 「僕も就活では何十社と落ち続け、やっと入れたのはブラック企業。パワハラで精神疾患になり、退職後は長く引きこもり生活を送りました。  今はなんとか障害者雇用で働けていますが、もし就職氷河期じゃなかったら精神疾患にならなかったんじゃないか、もっと人生がうまくいってたんじゃないかと考えてしまう。山上は資格を取ったりあがいていたと思う。でも、一度レールを外れると戻るのは本当に難しいから」(40代男性)

「彼のような存在を放置した社会には責任がないのか?」

署名

「山上徹也容疑者の減刑を求める署名」のサイト

 現在、署名サイトでは山上容疑者の減刑署名活動も行われている。「私も署名しました」と話すのは、40代女性だ。 「新卒時は50社以上受けてどこにも受からず、ようやく就職できたのは手取り15万円ほどのブラック企業でした。そこを数年で辞めてからは日雇い派遣やバイトをしたりで、ずっと生活は苦しいまま。今は結婚して、裕福ではないけど少し生活は安定しましたが、山上容疑者は一人で闘い続けるしかなかったんだと思う。  彼のような存在を放置してきた政治や、無関心だった社会には何の責任もないのでしょうか? 彼一人を責めても社会の問題は解決しないし、同じような犯罪をする人が出るかもしれない。そういう思いから、署名をしました」
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同じように殺人を犯してしまった人は……
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