更新日:2022年10月06日 10:12
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藤井聡太、羽生善治との夢のカードで魅せた“終盤の速さと精度”

藤井の“符号読み”。羽生の答えは?

表彰式

表彰式での藤井竜王。感想戦でも読みの深さを披露した

 他者の頭の中を覗けるわけではないので、謎のままではあるが、藤井の“符号読み”について、天才・羽生善治はどうイメージしているのか。どうしても聞きたい筆者は、対局前日の代表インタビューの質問事項に追加。羽生の回答は以下のとおりだ。 ――以前、藤井竜王は手を読む際、脳内にある将棋盤で駒を動かすのではなく、“符号で読む”と答えたことが話題になりました。羽生九段は、この“符号読み”についてどのようなイメージをお持ちですか? 羽生「えっ?(苦笑) いや……すみません、わかりません。(少考したのち)ただ、頭の中でどう見えているか、どう呼んでいるかを、どう言語化するかって話なのかもしれません。より高度に進歩したMRIなどでパッと見えればわかるのかもしれませんが。脳内将棋盤といっても、棋士それぞれ、盤の見え方とか先の見え方には違いがあると思います。81マスの盤面を、同じスクリーンで見えているわけではないってことは確かでしょうけど」

藤井聡太の“読み”を間近で見れる感動

 国民栄誉賞も受章したレジェンド棋士に対して、抽象的でぶしつけな質問を投げかけたことを反省しつつも、自らの言葉で誠実に回答してくれる羽生九段には頭が下がるばかりだ。  超天才棋士でもわからない、藤井聡太の符号読みの真相を凡人がわかるはずもない。ただ、藤井聡太が符号を諳んじる――ただそれだけで、身震いするような興奮を覚え、すごいものを見ている気になれるのは、公開対局ならではの面白さであることを実感した。JTプロ公式戦、藤井聡太の次戦は11月6日の東海大会。どのような将棋を見せてくれるのか、楽しみにして待ちたい。 <取材・文/日刊SPA!取材班 写真提供/将棋日本シリーズ総合事務局>
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