仕事

歌舞伎町で働く女の子たちの駆け込み寺。スナックママの“愛され力”

18歳から盛り場を転々と…

――このお店を始める前は、水商売から遠ざかっていたそうですね。 みやび 18歳で水商売を始めて、横浜、新宿、上野、銀座、湯島などのお店で働いた後、自分でお店を持とうと、歌舞伎町にポールダンスのショーが観られるお店を開きました。それが大盛況で、スペース的には今のお店ぐらいだったんですけど、お客様が全然入れなくてお断りすることも多かったんです。だったらお店を広くしようと。それに働いていた女の子たちに、ちゃんとしたステージで踊ってほしい気持ちもありました。それで勇気を出してお店を広くしたら、客足が鈍くなって……。どうやら狭い空間でポールダンスを観られるからこそ、お客様は楽しかったみたいなんです。たくさんの女の子を使うことにも疲れていましたし、約4年半でポールダンスのお店は閉めて、しばらくはネイルサロンのお仕事に専念していました。 ――お店を閉める時に、また水商売に戻ろうという気持ちはあったんですか? みやび 特に何も考えていなかったです。ただ縁があって、今の物件を紹介していただいて、一度お店を潰して自信喪失しているとはいえ、人を雇わなければ赤は出ないだろうと一人で「Barるーじゅ」を始めました。3年ほどブランクもありましたし、どのぐらいお客様が戻ってきてくださるのかも分からなかったので、1年目は様子見のつもりでした。ところがナイトクイーングランプリで準グランプリをいただいて、少し自信を取り戻せたので、じゃあ人を入れようと、今は4人の女の子がいます。今年のナイトクイーングランプリでは、女の子たちにかっこいいところを見せたいという気持ちも強いです。

歌舞伎町で働く女性たちの駆け込み寺

――Barるーじゅはどんな客層が多いのでしょうか。 みやび うちは女性のお客様の割合が多いんです。歌舞伎町のキャバ嬢さんが仕事終わりにいらっしゃいますし、私は銀座や六本木でママをやっている同業者のお友達が多いんですけど、わざわざアフターで来てくださることも多いです。あとネイルサロンのお客様もいらっしゃいますね。もちろん男性のお客様もいらっしゃいますし、女性を一緒に連れてきやすいお店とも言ってもらえます。あと歌舞伎町はスナックが少ないので、スナックを求めていらっしゃる新規客の方も多いです。 ――どんな時に夜のお仕事にやりがいを感じますか? みやび 何が自分の原動力なのかなと考えたら、やっぱり人の愛情ですかね。もともと私は人に必要とされたい願望が強いんですけど、うちは私に話を聞いてほしいというお客様が多いんです。キャバ嬢さんの中には、泣きながら来る方もいらっしゃいますからね。だから、「歌舞伎町の実家」って呼ばれているんですけど(笑)。私が話を聞くことで、また元気になってもらえるのがうれしいです。
みやび

本人提供写真

次のページ
お客様は喋りたい時に来ると思う
1
2
3
出版社勤務を経て、フリーの編集・ライターに。雑誌・WEB媒体で、映画・ドラマ・音楽・声優・お笑いなどのインタビュー記事を中心に執筆。芸能・エンタメ系のサイトやアイドル誌の編集も務める。

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ