更新日:2022年10月26日 20:33
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台風15号で“被害額1000万円”の静岡市40代夫妻「報道されない災害の辛さ」

ボランティア団体の活動も遅れる

静岡

浸水被害にあった車は約3万台にも及ぶ

 ここまでの災害が発生した場合、直後に全国からボランティア団体が駆けつけてくれることが多い。しかしあまりに報道されなかったことで、動きやすい連休中だったにもかかわらず、ボランティア団体の活動が始まるのも遅れてしまったようだ。 「災害から数日後にボランティアの方々が来てくれましたが、報道されていたらもっと早く来てくれていたかと思います。例えば清水区大内とかの話だと、家に泥が入ってきてしまっていたようで……。直後なら外に出しやすいですが、ボランティアの方々が来てくれたのは、乾いて土になってしまった後だったと聞きました。これもあまり報道がされなかった弊害ですよね

断水は乗りきったが、まだ終わっていない

静岡

Mさん夫婦所有の「Nintendo Switch」も浸水によって起動できなくなった

 そして、SNSでの拡散などによって徐々に知れ渡っていった被害状況。広範囲に及んだ断水の情報が広まる一方で、浸水に関する情報はそこまで広がらなかったようだ。 「私たちの場合、自宅は断水はしていましたが、会社は断水していない地域にあったので、水をもらうことはできました。でも入れる容器がなかったのでポリタンクを買いに行ったのですが、どこのお店も売り切れで……。お店の人に『東なら御殿場(清水区から約61キロ)まで行かないと売っていません』と言われました。結局、浜松に住んでいる兄が買ってきてくれて事なきを得たのですが。  でも徐々に広がっていった情報のおかげで地方からお水が大量に届いたことと、浜崎あゆみさんなどの有名人が水を持ってきてくれたこともあって、断水生活はなんとかなりました。  ただ結局、浸水したところってごく一部なんです。遅れて報道された内容も、浸水よりも断水がメインでした。だから水が復旧した後、支援としてはそれで終わってしまったんです。だから最初の段階で浸水のことも報じてくれていれば『まだ静岡には大変な思いをしている人がいる』という認識になってくれていたかもしれませんよね……。  被災した人を対象に、申請すれば市営住宅に無料で住めるとの話を聞いたので、私達もリフォームのために一時的に住ませてもらうことにしました。ただ工事が全く追いついていないようで、いつリフォームがスタートできるかわかりません。人手が足りていないので、可能なら建設業の方々に一時的に静岡出張してほしいくらいです……」
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新築に入居した初日に被災した人も…
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Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
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