更新日:2022年10月26日 20:33
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台風15号で“被害額1000万円”の静岡市40代夫妻「報道されない災害の辛さ」

報道されない災害の辛さ

静岡

9月24日の静岡県静岡市清水区。台風15号接近の影響により5393棟が浸水した 
写真提供/Mさん夫婦

 9月24日、台風15号の接近により記録的大雨となった静岡県静岡市。7つの地点で観測史上最多の雨量を記録し、断水は6万戸、そして5393棟の住宅が浸水した。  これだけの被害があったのにもかかわらず、当初は全国的な報道はほとんどされなかった。その理由の1つとして、「3日後に迫った安倍元首相の国葬のニュースで持ちきりだったから」ということが挙げられる。1ヶ月経った今でも、これだけの被害が出ていることを知らない人も多いだろう。  被災した人の現状を聞くため、被害の大きかった清水区に住むMさん夫婦を取材した。

被害額は1000万円にも上る

 今回話を聞いた40代のMさん夫婦が、清水区にマイホームを購入したのは6年前のこと。35年ローンで購入した自宅が、今回の大雨で半壊状態となり、リフォームせざるを得ない状況になった。浸水によって壊れてしまった家具や家電製品などを含めると、損害額は1000万円にも上るという
ps5

浸水によって泥水が中に入り、壊れてしまったPS5

 まずは、今回の災害が全国的に報道されなかったことについての話を聞いた。あまりに報道されなかったことにより、都内に住む娘でさえも、当初はさほど心配していなかったようだ。 「報道されていないから、こんなに大事になっていることが伝わらなくて、遠方に住む身内でも『大袈裟に言ってるんじゃないの?』と思ったようです。  東京に住んでいる娘に電話で伝えた時も反応が薄くて……。最初はあまり心配していなかったようですが、3〜4日経って徐々にTwitterで情報が回ってきたみたいで、『お母さんごめんなさい。お水送ろうか?』と言われました。災害の直後に報道されなかったことで、遠方に住む身内に頼ることができなかったというのはありますね」
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断水は乗りきったが、まだ終わっていない
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Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
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