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サイゼリヤの“さりげない凄み”は使い放題の調味料。グルメ通なら思わずうなる

ここが凄いぞ、エクストラバージンオイル

エクストラバージン

エクストラバージンのオリーブオイルをかけるともっと風味が良くなる

 オリーブオイルは、1990年代中盤頃に日本で流行りだした経緯がありますが、「流行り」だけで取り入れていたならば、日本のどこかの会社と提携した「安価なオリーブオイル」を店内に置いとけばいいはず。また、そういった代物を有料で提供するということも考えられます。しかし、サイゼリヤは、本物のイタリア産のエクストラバージンオイルを配置。しかもそれが使い放題という、本来『凄いこと』をさり気なく実施しているわけです。  また、エクストラバージンオイル以外にも、いくつかの調味料が使い放題となっており、それらをうまく組み合わせると、もとからポテンシャルが高い料理の風味がさらに上昇します。  サイゼリヤの店内を見回すと、高校生のグループはオリーブオイルを使っていない様子ですが、“分かっている大人”は、オリーブオイル等を活用しています。  各テーブルを見ると、私が思いつかなかったような食べ方をしているグループもあり、サイゼリヤの懐の深さが伺えます。  サイゼリヤは、安価な価格帯で料理を提供する一方で、本物を使うべきところにはしっかりと本物を使用。それがサイゼリヤ利用客の3割ぐらいにしか気づかれなかったとしても、その本物感がサイゼリヤの「美味しさ」を下支えしているのだと思います。

ドリンクバーにみるサイゼリヤの凄さ

 サイゼリヤのさりげない本物主義は、ドリンクバーを見てもわかります。現在、炭酸など冷たい飲み物はコカ・コーラ系となっているサイゼリヤですが、その選択肢には「トニックウォーター」が存在。サイゼリヤがドリンクバーをサントリーからコカ・コーラに変更したのは2015年頃だったと記憶していますが、それまで“トニックウォーターをドリンクバーで提供するファミレス”など考えられませんでした。  また、ドリンクバーの温かい系セクションとしては、コーヒーマシンの凄さがあります。サイゼリヤのコーヒーマシンは、さり気なくイタリア製が採用。本場イタリア式のエスプレッソを堪能できるわけですが、アメリカン珈琲も素晴らしいと思います。  サイゼリヤのアメリカンコーヒーは、コーヒーが抽出された後にお湯で薄める仕様となっているのですが、これはまさに本場イタリアのやり方。スターバックスの「カフェアメリカーノ」もエスプレッソのお湯割りですが、それと同じ趣旨のアメリカンコーヒーであるわけです。  余談ですが、スターバックスが日本に来た頃は、今のようなドリップコーヒーがなく、いわゆる「普通のコーヒー」を頼みたければカフェアメリカーノ一択でした。それが今や、ドリップコーヒーがメニューにあるだけでなく、売れ筋商品という状態。なんだか、かつてのスタバの世界観が失われているような気がします。
サイゼリヤ

アメリカンは、本場イタリア同様お湯で薄める仕様

サイゼリヤ

NUOVA SIMONELLI(ヌォーヴァ シネモリ)社製のコーヒー

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サイゼリヤの“本物”はまだまだある
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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