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サイゼリヤの“さりげない凄み”は使い放題の調味料。グルメ通なら思わずうなる

サイゼリヤよりも美味しいレストランは少ない

若鶏のディアボラ風

若鶏のディアボラ風。注文後15分ぐらいかけてじっくりと焼き上げる。これだけの皿でも500円

 しかしながら、それら高校生が大人になったとき、背伸びして、それまで親しんできたサイゼリヤから、もう少し高級なレストランに行ってみたいと思うことでしょう。  そうして、彼らの一部は、ステップアップしたと思い込み「サイゼリヤが高級なレストランよりも美味しいはずがない」と思い込んでしまうのでしょう。  しかし、蓋を開けてみたら、実はサイゼリヤより美味しいレストランは少ないわけです。あのサイゼリヤの凄まじい開発力に叶うレストランは、たとえ高級店だったとしてもそれほど多くありません。  私は、小学生の頃、様々な高級店に行っていたため、その年齢で、親とふらっと立ち寄った高級店が美味しいことを見抜いていました。当時は予約無しで入れたあのお店も、今や有名店となっており予約は数ヶ月待ち。東京にはたしかに美味しいお店はたくさんありますが、そういったお店のほとんどは、今や「数ヶ月先まで予約がいっぱい」という使いづらい状態であるわけです。

高級店の味を知りつつサイゼリヤを見てみると

 しかし、“予約が取れないお店”だったとしても、全てが本当に美味しいかわかりません。数ヶ月待ちというバイアスがあるため、「美味しいに違いない」と思いながら食べている可能性があります。  2007年にミシュランガイドが日本で発売されて以降、食べログといったネット評価とともに、日本では「グルメ」に対する関心が高まったといえます。  ただそれからというのの、高級店はミシュランに評価されるようなスタイルで競ったり、食べログで評価されるような文脈のメニューを提供したり、インスタ映えを意識するようになってしまいました。私としては、最近のグルメ界隈には少々うんざりしている部分があります。  そして、そういった人気店を含めた中で冷静にサイゼリヤを見ると、そのレベルの高さに驚くわけです。『美味しい店は数ヶ月待ち』が当たり前である今の東京において、そこら中に“当たり前”のように存在しているサイゼリヤが、実は数ヶ月待ちの店よりも美味しいという可能性を秘めているのは凄いことだと思います。  サイゼリヤのポテンシャルの高さにまだ気づいていない方は、ぜひサイゼリヤの料理をきちんと味わってみたほうが良いと思います。  ちなみに、「初デートでサイゼリヤ」を使うかと問われたら、私は使いません。気がしれた相手であれば、サイゼリヤの料理そのものを楽しめますが、まだ気心知れていない相手とは、もう少し雰囲気があるお店に行ったほうが良いからです。  初デートでファミレスに行くならば、私はロイヤルホストを選びたいと思います。<文/斉藤由貴生>
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう

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