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限界を訴える社員たち、厳しい資金繰り。起業から「心折れる」までのリアル

漫画を執筆しながら心がしんどくなったときも……

漫画

次々と辞めていく社員(画像はえいさん提供)

 自身の体験が半分近くも漫画のネタになっていることから、描きながら当時を思い出してしんどくなったとか。 「会社を設立した序盤にジョイン(入社)し、ウサギを支えてくれたエンジニアのイヌさんが退職した90話以降はしんどかったですね。投資家に出資をしてもらえない、プロダクトも完成できないという何も起こらない展開なのですが、何も起こらないからこそヤバイわけで。当時のゾクゾクする恐怖感や記憶がフラッシュバックして、具合が悪くなりながら描いていました」

主人公が事業に失敗した理由を作者本人が振り返る

漫画

スタートアップ企業では、仕事はできてもカルチャー(社風)に合わない人材は厳しい(画像はえいさん提供)

 タイトル通り100話目にして完全に心が折れてしまったウサギ。えいさんはウサギが事業に失敗してしまった理由について分析してくれた。 「小規模体制のスタートアップ企業の場合、サービスのニーズを確認してから、企業のカルチャーと合う人材を入れて組織拡大していくのが業界では定石とされています。しかし、作中のウサコアでは、まずカルチャーに合わない人材を入れて組織拡大をさせてから、ニーズも確認しないでサービスを作る、という真逆の動きをしてしまったのが失敗の原因と思われます。ユーザーを見ず、社員も適当に増やし、かつ一人ひとりとコミュニケーションできなかった点も破綻につながっていたでしょうね」
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「スタートアップはやめておけ」ではない!
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