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女子高生の青春「プリ」の今。スマホがあっても「あえて撮る」ワケ

盛れる、記念、遊びがプリ文化のキーワード

プリ

広報の疋田さんが2011年頃に撮影したプリ

 また、プリ機におけるニーズの変化を説明する上で、疋田さんは「盛れる」「記念」「遊び」の3つのキーワードを掲げた。 「今の時代はカメラアプリで簡単に可愛く写真も撮れますが、自撮りの場合、撮影技術が必要になってきます。その反面、プリ機であれば全自動で盛れた写真が撮れるので、今でも利用ニーズがあると考えています。プリントシールは昔であれば、『プリ帳』に貼って保存していて、友人同士でプリ交換するようなやりとりが行われていましたが、今ではスマホの透明ケースの裏に挟んで、思い出の記念として残している女の子も多い印象です。  デジタル画像だと振り返る機会が見出しづらいですが、手元にものが残っていれば思い出として振り返りやすい。そういう意味でも、プリ機の中でワイワイ楽しく遊んで過ごし、その思い出がもの(シール)となって手元に残るプリ、どんなに時代が変化しても、女の子にとってかけがえのないものになっていると言えるでしょう」

平成レトロブームで“平成プリ”が再注目

平成プリ・ギャルピース

平成レトロブームから「平成プリ」がトレンドになっていて、「ギャルピース」など当時流行っていたポーズでプリを撮るのが定番だという

 1年ほど前から、女子高校生の間で流行を見せているのは「平成プリ」というもの。  かつての平成の時代に流行ったカルチャーや遊びを体験する「平成レトロ」が注目されていることもあり、ネオンペンを使って「ズッ友」や「仲仔(なかこ、仲の良い親友のこと)」といった落書きをプリに入れたりして遊んでいるという。  今後も「プリ文化を継承する使命を背負いながら、盛れた時の嬉しさ、友人とワイワイする楽しさなどを提供していきたい」と疋田さんは抱負を述べる。 「今まで積み上げてきた企画力、技術力などをさらに磨き、女の子に寄り添い続けること。最近では機械学習にも力を入れており、喜んでもらえるコンテンツの表現の幅を広げられるよう尽力しています。プリ機でしか味わえない体験を追求することを、これからも念頭に置きながらプリ文化を育んでいきたいと思っています」 <取材・文・撮影/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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