なかでも、2011年に発売したプリ機「LADY BY TOKYO(レディ バイ トウキョウ)」は、プリントシール業界におけるイノベーションを起こした機種で、フリューにとってターニングポイントになっているとのこと。
「今までの機種は加工で目を大きくしたりして盛っていましたが、『LADY BY TOKYO』の場合は陰影を使って、自然な立体感を出して盛る機種でした。さらに今まで外装はピンクや赤などのカラフルなカラーリング・日本人モデルを起用したデザインでしたが、黒と白のシックなデザインに変更し、モデルも外国人を起用するなど、イメージチェンジを図ったんです。
この頃はAKB48のようなアイドルブームが起きていたこともあり、清楚系だけど盛れる“ナチュラル盛り”が流行っていました。企画は発売の約1年前から始まりますが、プリ機が世の中に出る頃の時代に求められるプリ機の企画力、女の子のリアルを把握するマーケティング力に加え、アイデアを即座に形にする技術力が、業界シェアNo.1になることができた所以だと考えています」
後発組にもかかわらず、フリューのプリ機ビジネスは隆盛を極め、現在では年間のプレイ回数(プリ機で撮影する回数)は3200万回(2021年度実績)に上り、プリントシール事業だけで75億円(2022年3月時点)を売り上げる規模にまで成長したのだ。