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海外の最新研究で証明された「『根性論』を軽視してはいけない意外なワケ」

「根性」を捨て、「理論」ばかりに固執する日本人

体育会系 おそらく「根性」にネガティブなイメージがある今の日本では、「根性」という言葉を使って書籍を売るのは難しいと出版社が考え、「やり抜く力」という言葉にしたのではないかと私は考えています。  これはつまり我々日本人は、成功するために必要な能力である「GRIT」、つまり「根性」が、科学的に研究がされるずっと昔から何ごとにも必要な能力だと教えられて、育てられているということだと思うのです。  しかし、残念ながら、現代の日本人はこの「根性」を捨て、「理論」と入れ替えようとしている人が多いのではないかと私は感じるのです。  これは「根性論」を推奨してきた人たちにも責任の一端はある気がします。彼らは「根性」と「理論」を敵対させることで、2つを共存できなくしてしまった責任があると思っています。

「根性」がなければ、エネルギー不足で競争に勝てない

 私にとっての「根性」とは、「理論を加速させるエネルギー」です。  どんなに正しい理論でアプローチしても、「根性」がなければ、エネルギー不足で競争には勝てません。もちろん、「根性」があり、エネルギー満タンだったとしても、正しい理論でなければ、進むベクトルが目的に向かわないので、やはり競争には勝てないのです。 「理論」と「根性」は、2つで1つである必要があると私は考えます。  私は英語で「Sweet Science」(甘い化学)とも表現されるスポーツであるボクシングが大好きであり、元プロボクサーです。  ボクシングをやっていたからこそ、「理論」と「根性」は共存できるということを深く理解しています。
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「根性論」は健康に悪影響を与えるのか?
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元プロボクサー。1981年、ナイジェリア人の父、日本人の母から生まれる。2006年、25歳でボクシングプロデビュー。外資系金融機関で営業マンを務めるかたわら、2017年に第40代日本スーパーライト級王者となる。2021年に現役引退し、現在はYouTubeチャンネルの運営、不動産事業、宿泊事業を手掛けている
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