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「父の余命宣告」で高校中退を決意。18歳アイドルが見せたい娘の姿

 アイドルになりたい、芸能活動を始めたい——。多くの若者たちがアイドルとして成功することを夢見て、一歩を踏み出している。
LICCA

アイドルグループ「かかかぶぶぶききき!!!」のメンバー・LICCA(リカ)さん

 そんななか、高校を辞めて「有名なアイドルになる」ことに人生をかけるひとりの女性がいる。歌舞伎町のアイドルシアターを起点に活動するアイドルグループ「かかかぶぶぶききき!!!」に所属するLICCA(リカ)さん、18歳だ。  2021年10月に「かかかぶぶぶききき!!!」のオーディションに合格後、本格的にアイドル活動を開始。これまでSNSはほとんどやっていなかったが、アイドルを目指すために始めたTikTokは、1年で20万人を超えるまでにフォロワーが増えている。  LICCAさんがアイドルになろうと心に決めたのは、コロナ禍で満足に学校生活を送れないなか、「父が余命宣告を受けた」のが大きなきっかけになっていると話す。そんな彼女のアイドル活動に対する想いとは……。

父親の余命宣告がアイドルを目指すきっかけに

LICCA「2年前、高校1年生の冬に父が余命宣告を受けていると知りました。コロナ禍でずっと家にいる環境でしたが、このまま何もせずに過ごしても絶対に後悔すると思ったんです」  当時は特に目指す夢がなかったものの、「何かに夢中になっている姿を父に見せたい」。その強い想いがLICCAさんを突き動かした。 「『何がいいだろう』と考えていたんですが、小学校3年生から続けているダンスを生かし、歌って踊るアイドルになれば、ステージに立つ私の勇姿を父に届けられると思いました。中学校から始まるダンスの義務教育に向けて、母からの勧めで始めたダンスですが、最初は嫌々やっていたんです。人見知りな性格で、初めての場所に行くのが苦手で……。  でも次第にダンスが好きになり、続けてこれたので、『アイドルになって笑顔を届けたい』という夢を抱くようになりました」

コロナ禍で楽しめない学校生活を諦め、高校中退を決意する

LICCA

ステージでパフォーマンスするLICCAさん

 そして、2020年6月には高校を中退する決意を固め、アイドルになる夢を叶えるために本気で挑むようになる。 「コロナ禍の影響でずっと家で授業を受けたり、文化祭もなくなったりして。全く学生の楽しみがなくなってしまったので、このまま普通の高校生活を送っても、ただ時間が過ぎていくだけだと感じていたんです。父と向き合う時間の方が私にとって大切で、元気や笑顔を届けるアイドルになって、父の目に触れるような活動がしたい。そう思っていたこともあり、高校を辞めることに迷いはありませんでした」  そんなLICCAさんにとって転機になったのは、“歌舞伎町から、世界へ”をコンセプトに、新時代のアイドルグループ「かかかぶぶぶききき!!!」のオーディションを偶然見つけたときだった。
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合格を目指して…
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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