スポーツ

3日間スマホなしで何をする?元ガールズケイリン女王が語るレース中の過ごし方

スマホがないことによる弊害は?

高木真備さん

完全にスマホがない環境の中で3日間過ごし、一斉に解禁される時は“異様な空気”になるという 
提供:公益財団法人JKA

 スマホがない生活が月に10日前後あったことに対しては「競輪学校時代は1年間使えなかったですし、普通に慣れましたよ」と語る高木さん。ただ、多少なりともスマホがないことによる影響はあったようです。 「暇つぶしアイテムとしてクロスワードを持ってきている選手がいたんですけど、クイズがどうしてもわからない場合、ガールズ選手全員に回ってきていました(笑)。『この問題わかる人いない?』みたいな感じで。そういうクイズって、スマホで調べればだいたい答えがわかりますよね。でも調べるものが一切ない状況で、すぐに答えを知りたいときは知っている人に聞くしかなくて。スマホの生活に慣れすぎて見失っていた『スマホの便利さ』に、気付かされる瞬間がたまにありました(笑)」

4日ぶりにスマホを見た時のあるある

 そして3日目のレース終了後、選手たちは4日ぶりにスマホに触れる。毎日何時間と触れているスマホを4日間も預け、久々に触ったときの選手たちの様子を聞いて見ました。 「例えばミッドナイト開催のときは、その日に帰れない選手が宿舎に泊まります。そういったときは、最終日の最終レースが終わった後に『今から通信機器を使用してOKです』といった内容の放送が流れます。  それまではガールズ選手同士で『明日何食べる〜?』みたいな話でキャッキャ盛り上がっていたのに、スマホが解禁となると、急にみんな『シーン』となるんです(笑)。これはもう面白いくらいに静かになります。もちろん私も黙ってスマホをいじっている1人ですが……笑」  現代社会を生きるうえで、なくてはならないアイテムのひとつと言える携帯電話。それを預けなくてはならない仕事というのも、なかなか珍しい職種と言えるでしょう。おそらく一般の人からすると、スマホが4日間も取り上げられたら不安で仕方がないのではないでしょうか。競輪選手は体力的に過酷なトレーニングをしているだけでなく、月に約10日間もスマホがない生活をしているという意味では、一般の人よりも精神的に強い人が多いかもしれません。 取材・文/セールス森田
Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
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