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梨泰院「ハロウィン群衆事故」から考える、日本における“満員電車の危険性”

音楽フェスではあり得るのか?

川口寿裕氏

関西大学教授の川口寿裕氏

 乗車以外でも気をつけるべきことはあり、「ラッシュ時に電車が遅延した場合、普段よりも密集してしまいます。そういう時に階段で移動する際は、転倒によって将棋倒しになるリスクも低くありません。特に下りの階段を移動する時には注意が必要です」と語る。  ちなみに、電車以外にも人混みになるケースとして音楽フェスも挙げられるが、「刃物を持った人が暴れたり地震が発生したりすれば危険な状態にはなるでしょうが」 としつつも、「不測の事態が起きない限り、人混みで圧死する可能性は低いです」と指摘した。

日本は対策がしっかりしている 

 日本ではハロウィン圧死事故のような事故が起きにくいことがわかったが、そのなかでも大きな要因を説明する。 「2001年に兵庫県明石市で“明石花火大会歩道橋事故”が起きるなど、長年密集が原因で起きた事故を踏まえたうえでの警備体制を敷きます。過去の痛ましい事故からの経験や知識の積み重ねにより、多少密集しても安全に過ごすことができるようになりました。ただ、韓国では今回のような大規模な密集に関する事件をあまり経験してこなかったため、雑踏警備の重要さを認識できておらず大惨事が起こってしまったのではないでしょうか」  最後に「年末年始に向かってクリスマスや初詣など、人混みが予想されるシチュエーションは増えます。日本ではリスクは低いとはいえ、しっかりと警備員や警察の声を聞いたうえで行動するようにしましょう」と締めた。  イベントの際には警備員や警察に意識を向けることは少ない。ただ、私達を守ってくれている重要な人達であり、感謝の気持ちを持っていたい。 取材・文/望月悠木
フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki
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