自粛要請中に営業を続けた飲食店店主の“誤算”「みんな理解してくれると思っていたのに」――2022年トップ10
2022年、日刊SPA!で反響の大きかった記事からジャンル別にトップ10を発表。今年、大きな影響があった「ニュース」部門の第8位は、こちら!(集計期間は2022年1月~11月まで。初公開日2022年2月1日 記事は取材時の状況)
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新型コロナウイルスにより多くの自粛要請が出されてきたが、飲食店の対応もさまざまである。なかには、従わない店もあるが、いざ感染してしまったら……。ある飲食店店主の“誤算”とは!?
九州地方で複数の飲食店を経営する野口徹さん(仮名・50代)は、国や自治体の要請などには従わず、これまで一貫して営業を続けてきた。無論、協力金などは受け取らず、コロナ禍の約2年間を過ごしてきたことが“自慢”だった。
「コロナなんて風邪だから。インフルと同じだよ! なのに大騒ぎしてさ、馬鹿じゃねえかって話だよ!」
野口さんは以前、そんなことを口にしていたという。一方、店を訪れる客も「酒でコロナを消毒する」などと言っていた。しかし、従来より感染力が強いとされるオミクロン株が流行するようになると事態は一変した。
「ちょっと体がだるいと思っていたけど店に立ったんですよ。そしたら翌日は頭痛がして。ただ、熱もないし、やっぱり風邪かと思いました。でも、家族がいるでしょう? 嫁から“一応検査して”って言われてね。そしたら感染してるのがわかった。感染経路で思い当たる節と言っても、どの客なのか、もしかしたら家庭内かもしれないし、よくわからんのです」
ほんの2日前まで「コロナはたんなる風邪」と豪語していた野口さん。幸いにも症状は深刻ではなく、“少し店を休んで再開すればいい”と考えていたのだが、保健所からは「この数日間に店を訪れた人に連絡をして」と通達があった。
客には「もう全員感染しているさ、無症状なだけで」と言っていた手前、自らの感染を告知するのは気が引けた。それでも、軽い風邪のような症状だったこともあり、正直に話せば客も理解してくれる、そう思っていた。しかし……。
コロナ禍で営業していた飲食店店主の“誤算”
みんな理解してくれると思っていたのに…
新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。
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