お金

コメダ珈琲が一人勝ちを続けるワケ。トースト無料のモーニングだけじゃなかった――2022年トップ10

フランチャイズ店舗比率にヒントが

 なぜ、こんなに差が開いているのでしょうか。その背景には、FC(フランチャイズチェーン)店舗比率にヒントがあります。外食企業は、一般的には直営店の比率が高いとされています。  直営店が多いと、売り上げが減ると人件費や店の賃料などの負担が重くのしかかり、すぐに営業赤字に転落します。ところがコメダは直営店の比率が低く、FC主体のビジネスモデルであることが高収益の理由です。  コメダは店舗全体の95%近くがFC店です。そして、FCのオーナーに裁量権を与えていることも同社の強みです。最低限の決まりはあるものの、店舗ごとのオーナーに運営を任すことで、「自分の店」として大切に運営することができます。FCロイヤリティ(1席あたり月額1,500円)と固定するなどオーナーとしてもモチベーションを保つことができる工夫があります。  FC展開する企業は店舗拡大のスピードが重要です。そのため、本部としては「FCオーナーは自分たちの事業を拡大していく“仲間”である」というマインドが必要です。ある意味、企業としてサスティナブルなFC経営をしているとも言えます。  そして、コメダは21年4月に2026年2月期までの中期経営計画を発表しています。  最も目を引くのが出店の加速です。2021年2月期末の914店を、2026年2月期末までに1200店へと拡大するとしています。店舗数を約300増やすうち、80店は海外を見込んでいます。今後は国内だけでなく、海外でも事業を拡大する「仲間」を増やすことでコメダが大切にしている「くつろぎの場」を提供してくれることでしょう。益々の成長拡大が期待されます。

馬渕磨理子

<文/馬渕磨理子>
経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi
1
2
3
おすすめ記事
ハッシュタグ