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ユニクロだけじゃない!“オワコン説”が囁かれていた「アパレル業界の大逆襲」が始まった

実は元気のいい日本のアパレル企業

三陽商会

三陽商会公式HPより

 アパレルは、オワコン――。  このような言葉がささやかれるようになり短くない時間が流れました。  1990年には15兆円を超えていたアパレル市場ですが、2010年代に入ると10兆円を下回るようになり、このような言説が流布されるようになりました。  しかし、この認識は古いものとなってきています。  むしろ、今は「『アパレルはオワコン』という言葉がオワコン」なのです。  今、業界のなかでは確実に実績を伸ばしている複数の企業があり、そして実績を伸ばすに至ったそれぞれのアプローチがあります。 「え? どうせユニクロとしまむらの話でしょ?」と思った方。  その予想をこの記事は裏切ることになります。  日本のアパレル企業、大活躍の背景をお伝えします。

三陽商会の大復活

「アパレルの逆襲」で第一に紹介したい企業が株式会社三陽商会です。  三陽商会はイギリスの有名ブランド「バーバリー」の販売で大きな収益をあげていましたが、2015年のライセンス契約終了以降、売上を落とします。6期連続での最終赤字というドン底を経験しました。  そんな三陽商会ですが、2022年ころから業績が回復。純利益は2022年2月期で6.6億円、2023年2月期で21.5億円と右肩上がりです。さらに10月6日には2024年2月期連結業績予想を上方修正するなど事前の計画を上回る勢いで復活を遂げています。  三陽商会の復活には、コロナ禍の収束、インバウンドの復活などの外部要因ももちろんあります。しかし、当然それだけではこれだけの大復活を遂げることはできません。  現在、三陽商会の社長を務めているのが大江伸治氏という人物です。大江氏は三井物産出身でスポーツウェアなどを扱う株式会社ゴールドウインをV字回復させたという実績があります。この大江氏の手腕こそが三陽商会復活の大きな役割を果たしています。  大江氏は一体どんな大ナタをふるったのかと気になる方もいるかもしれません。しかし、大江氏はその復活劇について意外な言葉を口にしています。
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「当たり前のことを当たり前に」
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経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi

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