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コメダ珈琲が一人勝ちを続けるワケ。トースト無料のモーニングだけじゃなかった――2022年トップ10

ビジネスマンの需要も取り込んだ

 では、都心の店舗はどうなっているのでしょうか。  東京・都心の店舗には1人での来店が多いことを考慮してコンセントを設置しており、中には、全ての席にコンセントを設置している店舗もあるほどです。Wi-Fiも無料で使えます。自宅での会議も家族に配慮してやりづらいことも多々ありますが、コンセントもWi-Fiも整っている環境はビジネスパーソンとしては、本当にありがたいです。  メニューも豊富でリーズナブルな価格で提供しながらもビジネスパーソンの需要もしっかりと取り込んだことで、ほかのカフェチェーンに差をつける要因となりました。  スターバックスやドトールなどのチェーンとは差別化に成功し、常連客を大切にすることからもリピーターも多いです。“懐かしい感じ”の店舗の雰囲気もあり、ある意味、コメダは新しい喫茶店業態を生み出したとも言えます。

都心に攻めるコメダ、営業利益25%を誇るカギ

 コロナでのダメージが少ない郊外を得意としてきたコメダは、体力を温存することができました。一方で、その他の飲食店やサービス業は都心での店舗運営が厳しさを増し、撤退を余儀なくされています。  特に、東京の山手線より外側のエリアでは、居酒屋などの撤退が続き、賃料が低下しています。都心一等地の店舗に空きが出ている今のタイミングで、コメダは大都市部へ出店を進めています。この動きは、これまで都心を得意としていた外食チェーンと郊外を得意としていたコメダの店舗出店の構図を大きく変える可能性があります。  コロナをきっかけに、グレートローテーション(大転換)なる地殻変動がいま起きていると言えるでしょう。  そして、コメダが強い理由には、営業利益率が圧倒的に高い点が挙げられます。参考までに、ドトール・日レス、サンマルク、コメダHDの3社の5年平均の営業利益率を比較してみると。 営業利益率(5年平均) ドトール・日レス 5.5% サンマルク 5.4% コメダHD 25.1% ※22年1月時点  25%? これは、どえりゃ数字ですよ。
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フランチャイズ店舗比率にヒントが
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経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi

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