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老舗パチンコメーカー「高尾」が破綻。パチンコ業界で相次ぐ大量リストラ――2022年トップ10

パチンコ雑誌も廃刊が相次ぐ

高尾写真

高尾は不死鳥をモチーフにしたキャラクターをシンボルマークにしている。今回の一件からも不死鳥の如く蘇ることができるのだろうか

 ホール、メーカーだけではなく、この4月には老舗と言われていた業界誌が休刊。コロナ禍がピークを迎えていた頃には複数のファン雑誌も休刊しており、業界向けやファン向けといったメディアも縮小傾向が続いています。業界関連メディアを主な仕事の場としている筆者にとっても少なからずダメージはあったりしますが、もう30年近くもお世話になったし、そろそろ潮時なのかな……と考えることもしばしば。  今回の高尾については、債権者向けに「民事再生手続は、破産手続とは異なり、弊社事業の維持存続を前提として、弊社を再建する手続です」(※原文ママ)」と発表しておりまして、2015年の奥村遊機のように会社をたたむのではなく、マルホン工業のように今後もパチンコメーカーとして活動していく決意が述べられています。  マルホン工業は設備関係の業界関連企業がスポンサーとなっていまでも定期的に新機種をリリースしていますし、そのなかには話題を集める注目機もありました。高尾も大手にはないアイデアを盛り込むなど注目されていた機種も多く、独自のポジションを確立していたメーカーです。  幸い、上場メーカーがスポンサーとして名乗りを上げているようで、これからもファンを楽しませてくれるパチンコを出してくれると期待しています。ファンにとってはメーカーの規模や負債も関係ありませんから。

一発のヒット機種でビルが建った時代もあった

 かつてメーカーは、一発ヒット機種を出してしまえば都心にビルが建つといわれていた時代がありました。実際、業界関連企業が集まる東京・上野の「上野村」にはメーカーの自社ビルが立ち並んでいますし、一部の大手メーカーは渋谷駅や東京駅といった大ターミナル駅の目の前にビルを保有しています。  昔ほど儲かる商売ではなくなったとしても、多少の赤字なら一発のヒット機種で完済できた例はいくつもある業界だからこそ、高尾の復活を期待したいと思います。そういえば高尾のシンボルマークには、不死鳥があしらわれているんですよね。今こそ不死鳥の如く、蘇ってほしいところです。 文/キム・ラモーン
ライターとして25年のキャリアを持つパチンコ大好きライター。攻略誌だけでなく、業界紙や新聞、一般誌など幅広い分野で活躍する。
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