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メンズ地下アイドル業界の異常な客単価「100万円でメンバーと“夢の国”デートも」

要求がエスカレート「もっと稼げる仕事したら?」

イルミネーション「彼は『恋人だから一緒に住むけど、ライブには今までどおり来て欲しいし、生活も面倒みてくれ』って感じでした。毎回ライブですごい量のチェキを売り上げているから給料も結構もらっているはずなのに、いつも『お金ない』って言ってました」  衣食住に加え、彼のメイク用品や私服まで負担させられていたなのかさん。さらにライブやチェキ代まで払うとなれば、とんでもない出費だ。 「製菓店とガールズバーの掛け持ちじゃ無理になって。彼には『家で会えるし、ライブに行く回数を減らしていい?』と聞いたら『意味ないじゃん! もっと稼げる仕事したら?』と、風俗で働くことをすすめられました」  なのかさんは、さすがにそこまではできないと思った。すると、彼は驚くべき行動に出た。 「翌日に家を出ていきました。『俺のこと、その程度なんでしょ?』って。いきなりLINEもSNSも全部ブロックされてしまいました。諦めきれなくてライブに何回か行ってチェキを撮ったけど、すごい塩対応。きっと、もうほかに私以外の“後釜”がいたんでしょうね。今となっては、推し活をやめるいいきっかけだったと思います」

「パパ活してまで推しに貢いでいた」

 三井れなさん(20歳・仮名)は「ほかのファンに負けたくなくて、パパ活してまで推しに貢いでいました」と苦笑する。 「Instagramで見つけて『ライブに行ってみたいです!』とDMしたら、即返信がきたんです」  東京在住のれなさんは実家暮らし。それまでアルバイトの経験はなく「裕福な家庭」で育ったという。 「必要だったら親からお小遣いをもらう感じでした。メン地下にハマるまでは何不自由ありませんでしたが、毎週ライブがあって、ほかにも撮影会やオフ会などのイベントがある……。人生で初めて『お金がいくらあっても足りない』と思いました」  ライブのチケット代は2000円前後だが、ライブ終了後の物販で数万円飛ぶこともザラだったそうだ。 「チェキは1枚や2枚では済ませられなくなる。ほかのファンが10枚チェキを撮っていたら私は20枚撮らなきゃ! 負けちゃう! って思うんです。  逮捕されたグループほどではないですが、ポイントを貯めたらスタッフ付きだけどデートができるとかプリクラが撮れるとか、特典もいろいろありました」  課金を続けているうちに貯金は底をついた。前述のようにアルバイト経験もなかった彼女は、パパ活をはじめたという。 「親にもさすがにお小遣いをもらいにくくなってきて、自分で好きなだけお金を使いたいと思って。パパ活で多いときは月100万円くらいとか稼いだ」  そんなれなさんだが、最近はめっきりライブに行っていない。 「パパ活してまで課金したのに、ぜんぜん成長しない推しに萎えてしまいました。私や決まった数人の女の子がたくさんお金を使うだけで、新しいファンも増えないし新曲も出ない。推しからは営業のダイレクトメールがくるのですが、距離感が近すぎて、むしろ『う〜ん』って感じ」
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特典を得るための金額設定が“異常”
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ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720

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