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メンズ地下アイドル業界の異常な客単価「100万円でメンバーと“夢の国”デートも」

 メンズ地下アイドルとして活動する男性2人が、それぞれのファンの女子高生に対してみだらな行為をしたとして、東京都青少年健全育成条例違反の疑いで逮捕された。女子高生の1人は、チェキの撮影やグッズの購入などに約300万円もの大金をつぎこんでいたという。
スマホを操作する女の子

※写真はイメージです。以下同

 メンズ地下アイドル(通称“メン地下”)は、小規模なライブやイベント活動を行っているが、テレビや雑誌で見かけるようなメジャーなアイドルとは違い、メンバーとファンとの距離感がとても近い。ライブ後の物販では、“特典”目当てに高額な課金をする中高生も増えている。警視庁生活安全部はTwitterにて次のように注意を呼び掛けている。 <中高生が「メンズ地下アイドル」にハマり、家のお金の持ち出しやパパ活・援助交際などによりお金を稼ぎ、「推し」に貢いでしまうという相談が急増しています。過剰な「推し活」は、生活の乱れに繋がります  今回は、メン地下の現場に通い、熱心に推し活していたという2人の顛末を紹介する。さらに、過激化の一途を辿る業界の現状や問題点について、メンズ地下アイドルの運営側である株式会社U.MARK(マークプロダクション)に話を聞いた。

生活は推し一色「1回でも多く参加したい」

 現在は「推し活はウンザリ」だというフリーターの木崎なのかさん(21歳・仮名)。彼女は去年の夏頃まで某メン地下グループのライブやイベントに通っていた。 「最初は友人に誘われて。初めてライブに行った特典で、好きなメンバーと1回チェキが無料で撮れたんですが、あまりの密着度とフレンドリーさにビックリ。すぐに推し活するようになりました」  ドームでコンサートツアーをするようなメジャーなアイドルとは異なり、メン地下はとにかくライブとイベントの数が多い。なのかさんは、推しに自分を覚えて欲しい一心で「1回でも多く参加したい」と思った。いつの間にか、生活は推し一色になっていた。

推し活のために昼夜を問わず働いた

「製菓店で販売の仕事をしていましたが、手取りは月16万円。家賃が6万7000円だから、あまったお金だけでは満足にライブには通えない。寝る間も惜しんでガールズバーとの掛け持ちをして、稼いだお金のほとんどを物販のチェキに費やしました」  半年間通い詰めたところ、なんと推し本人からSNSを通じてDM(ダイレクトメール)が届いたという。 「彼から『じつはずっとタイプで』と言われて舞い上がりましたね(笑)。すぐに付き合って半同棲することに。はじめは幸せでした。でも……」  “普通の恋人”になれると期待したなのかさんだったが——。
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要求がエスカレート「もっと稼げる仕事したら?」
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ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720

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