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株価10倍以上に成長する「テンバガー」の意外な見つけ方。会社四季報の達人が伝授

 長引く不況の影響で賃金の上昇が見込めないなか、そこに追い討ちをかけるような物価高……。いまの時代、資産形成において「投資」は視野に入れておきたい。  投資をするうえで、だれもが憧れる“テンバガー”。株価が10倍以上に成長する銘柄のことだが、これを売却することで大きな利益が得られるのだ。とはいえ、いかにしてそんな“お宝株”を見出せばいいのか。
高層ビルに向かってジャンプをするビジネスマン

※写真はイメージです。以下同

 証券アナリスト・複眼経済塾塾長の渡部清二氏は、会社四季報を100冊読破し、日経新聞の切り抜きを25年間行い、指標ノートを9000日以上記録し続けているという。今回は、渡部氏の著書『10倍株の転換点を見つける最強の指標ノート』(KADOKAWA)から一部を抜粋してそのノウハウを紹介する。  渡部氏は人気投資漫画『インベスターZ』の作者・三田紀房氏の公式サイトでは、“世界一『四季報』を愛する男”と称されたほどだが……。

四季報内の「少数キーワード」がテンバガーにつながる

会社四季報

『会社四季報 2023年1集・新春号』(東洋経済新報社)画像は、Amazonより

少数キーワード」とは、全上場会社の四季報コメント内でわずか1〜2件ぐらいしかヒットしない、登場回数が極めて少ないキーワードのことだ。まだ一般に顕在化していない「潜在テーマ」だが、今後の世の中の流れ次第では、大きなテーマになる可能性を秘めている重要なキーワードである。  たとえば、IoTの上位概念とされているIoEは、私が四季報(2022年新春号)から、いつものように「少数キーワード」を検索していて、エフティグループ (2763)のコメント欄に唯一あった言葉だった。  また、「空飛ぶクルマ」というキーワードは、四季報(同号)の建設コンサル大手である人・夢・技術グループ(旧長大 9248)のコメント欄に初登場しており、「【空飛ぶクルマ】空飛ぶクルマを手がける企業と資本業務提携し、空のインフラ整備を担う」と書かれていた。

メタバース

 この言葉が四季報に初登場したのは、2021年秋号のグリー(3632)のコメント欄だった。「【仮想空間】インターネット仮想空間メタバースへの参入を発表。2 〜3年かけて100億円規模の投資予定」と書かれていた。  こうしたコメントからメタバースが【仮想空間】であることは理解できたが、この四季報発売から約1カ月後の10月19日付の日経新聞夕刊に、「欧州で1万人を採用 フェイスブック仮想空間強化」との記事が掲載されていた。その後、 10月28日にフェイスブックが社名をメタバースの「Meta(メタ・プラットホームズの略称)」にすると発表しており、これはまさに潜在テーマが顕在化した瞬間だった。  では、そもそもメタバースとは何か。  グリーがメタバース事業に参入すると発表した2021年8月6日のニュースリリースによれば、「同時に多くの人が参加して、アバター(「化身」という意味で、 ネットワーク上の仮想空間でのユーザーの分身のこと)を通じて、実社会に近いレベルで交流や仕事、遊びなどの活動が自由にできるデジタル世界のことであり、現実と仮想の隔たりを超えて社会活動ができる次のインターネット空間」とある。
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「メタバース」と融合すれば…
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複眼経済塾 代表取締役塾長。1967年生まれ。1990年筑波大学第三学群基礎工学類変換工学卒業後、野村證券に入社。個人投資家向け資産コンサルティングに10年、機関投資家向け日本株セールスに12年たずさわる。野村證券在籍時より、『会社四季報』を1ページ目から最後のページまで読む「四季報読破」 を開始。20年以上継続中で、2022年秋号の『会社四季報』をもって、計100冊を完全読破。2013年野村證券退社。2014年四季リサーチを設立し、代表取締役就任。2016年複眼経済観測所を設立、2018年複眼 経済塾に社名変更。テレビ・ラジオなどの投資番組に出演多数。『インベスターZ』の作者、三田紀房氏の公式サイトでは「世界一『四季報』を愛する男」と紹介された。著書に、『会社四季報の達人が教える 誰も知らない超優良企業』(SB新書)、『会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方』(東洋経済新報社)、『日経新聞マジ読み投資術』(総合法令出版)などがある。

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