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株価10倍以上に成長する「テンバガー」の意外な見つけ方。会社四季報の達人が伝授

エクソソーム

10倍株 この聞き慣れない言葉は、四季報(2022年夏号)中の三洋化成工業(4471)とセルソース(4880)のコメント欄にあった。  エクソソームはどのようなものかというと、三洋化成工業のホームページによれば 「エクソソームは細胞から分泌される微小粒体で、細胞間でさまざまな情報を伝達する生体物質であり、疾病の診断や治療にも使える」としている。  三洋化成工業は高吸水性樹脂の草分けと言える企業で、「徳島大と共同で高吸水性樹脂を用いたエクソソーム(細胞分泌の膜小胞)の精製法開発」と書かれていた。  同社は、1978年に世界で初めて商業生産を開始して以降、さまざまなニーズに合わせて高付加価値のSAPを開発してきており、徳島大学の研究グループの基本構想・評価技術と同社のSAPの設計・製造に関するノウハウを組み合わせることによって、エクソソームの回収・精製に適した精製法の確立に成功したという。  セルソースは再生医療を手がける企業で、コメント欄には「【化粧品】ヒト間葉系 細胞由来のエクソソーム化粧品原料を開発、ユーチューバーとコラボで同成分配合の美容クリーム発売」と書かれていた。  このように、新しい言葉が次々に登場してきて、とりわけIT分野の場合はSFの世界に踏み入ったような感じがするが、まだ一般に顕在化していない「少数キーワード」を四季報から見出すことが、テンバガーにつながる可能性が大きい。 <文/渡部清ニ>
複眼経済塾 代表取締役塾長。1967年生まれ。1990年筑波大学第三学群基礎工学類変換工学卒業後、野村證券に入社。個人投資家向け資産コンサルティングに10年、機関投資家向け日本株セールスに12年たずさわる。野村證券在籍時より、『会社四季報』を1ページ目から最後のページまで読む「四季報読破」 を開始。20年以上継続中で、2022年秋号の『会社四季報』をもって、計100冊を完全読破。2013年野村證券退社。2014年四季リサーチを設立し、代表取締役就任。2016年複眼経済観測所を設立、2018年複眼 経済塾に社名変更。テレビ・ラジオなどの投資番組に出演多数。『インベスターZ』の作者、三田紀房氏の公式サイトでは「世界一『四季報』を愛する男」と紹介された。著書に、『会社四季報の達人が教える 誰も知らない超優良企業』(SB新書)、『会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方』(東洋経済新報社)、『日経新聞マジ読み投資術』(総合法令出版)などがある。
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