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1000円が1万円に。投資のプロが教える「10倍株」3つの条件と“オススメ5銘柄”

 長引く不況の影響で賃金の上昇が見込めないなか、そこに追い討ちをかけるような物価高……。いまの時代、資産形成において「投資」は視野に入れておきたい。
株式投資

※画像はイメージです(以下同じ)

 投資をするうえで、だれもが憧れる“テンバガー”。株価が10倍以上に成長する銘柄のことだが、これを売却することで大きな利益が得られるのだ。とはいえ、いかにしてそんな“お宝株”を見出せばいいのか。  証券アナリスト・複眼経済塾塾長の渡部清二氏は、会社四季報を100冊読破し、日経新聞の切り抜きを25年間行い、指標ノートを9000日以上記録し続けているという。今回は、渡部氏の著書『10倍株の転換点を見つける最強の指標ノート』(KADOKAWA)から一部を抜粋してそのノウハウを紹介する。

小さいからこそ成長の余地がある「中小型成長株」

 中小企業は大企業のような安定性はないものの、まだ小さいからこそ成長の余地があり、株価が右肩上がりになる可能性が大きい。実際に多くの10倍株(テンバガー)が生まれている。  ところで「テンバガー(10bagger)」という言葉についてだが、この言葉は『ピーター・リンチの株で勝つ』(ダイヤモンド社、1990年初版)という書籍で初めて紹介された言葉で、以来、日本でも知られるようになった。  ちなみにbaggerはbagの派生語で、アメリカではベースボールのベースをバッグともいい、満塁ホームランを4バガーと呼ぶことから、10倍になる株をテンバガーと呼ぶようになったとされている。テンバガーは2本の満塁ホームランにさらに2点が加えられるわけで、いかにスゴいかがわかる言葉になっている。

中小型成長株と業績回復株を買いなさい

株式投資 ピーター・リンチ氏はアメリカを代表するファンドマネージャーの1人であり、「元祖テンバガー・ハンター」「世界一のファンドマネージャー」と呼ばれ、大きく値上がりする可能性を秘めた企業の株を数多くファンドに組み入れ、多いときは1400もの銘柄に投資したといわれている。  また、なぜそれほど多くの銘柄に投資したのかというと、投資リスクを極力少なくするためで、仮に10社の株に均等に投資したとして、9社の株が値下がりしたとしても、残り1社の株が10倍になれば損はしないというのが、その理屈だ。  つまり、投資先を分散すればリスクを抑えることができるわけで、これは中小型成長株に投資する際の重要なポイントになる。  ピーター・リンチ氏は「中小型成長株と業績回復株を買いなさい」と提言していて、このタイプの株を見つけることが、大きなリターンにつながるということを強調している。では成長力があり、テンバガーになる可能性を秘めている中小型成長株を見つけるにはどうすればよいかといえば、私は次の3つの条件に注目している。
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「中小型成長株」を見つける条件1つ目は?
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複眼経済塾 代表取締役塾長。1967年生まれ。1990年筑波大学第三学群基礎工学類変換工学卒業後、野村證券に入社。個人投資家向け資産コンサルティングに10年、機関投資家向け日本株セールスに12年たずさわる。野村證券在籍時より、『会社四季報』を1ページ目から最後のページまで読む「四季報読破」 を開始。20年以上継続中で、2022年秋号の『会社四季報』をもって、計100冊を完全読破。2013年野村證券退社。2014年四季リサーチを設立し、代表取締役就任。2016年複眼経済観測所を設立、2018年複眼 経済塾に社名変更。テレビ・ラジオなどの投資番組に出演多数。『インベスターZ』の作者、三田紀房氏の公式サイトでは「世界一『四季報』を愛する男」と紹介された。著書に、『会社四季報の達人が教える 誰も知らない超優良企業』(SB新書)、『会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方』(東洋経済新報社)、『日経新聞マジ読み投資術』(総合法令出版)などがある。

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10倍株の転換点を見つける最強の指標ノート

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