仕事

「ツイッターをやってる経営者ってどう?」難しい質問にもサラサラ答えられる“最適な返し方”

あえて「スタンスを取らない」

 このダブル側面返しは、「答えづらい質問が来たとき、スマートかつ他の人を不用意に刺激することなく返答する」という目的のために使うものです。なので、「いや、私はそんなふうには思いません!」と強烈にスタンスを取る必要はありません。それはまた別のタイミングにとっておけばよく、今回の目的はそうじゃなかったはずです。  つまり、側面その1に関しては、「確かにそういう側面ありますよね、あなたのおっしゃる通りですよ」と穏やかに同意しつつ、側面その2で「とはいえ、このような考え方もありますよね」ともう一方のサイドにもしっかりとアピールする。  こうすることで、両陣営から「なんだ、話のわかるやつだな」と思ってもらい、その後のスタンスを取ったディスカッションでも、生産的な話ができる確率が増えていくはずです。ダブル側面返しは答えづらい質問が来た際に使う、あえてスタンスは取らない。これらを意識して、返しづらい質問にもサラサラ答えられる人を目指すといいのかなと思います。 【NG 損する説明】 (「日本の大企業で働くのってもはや時代遅れですよね?」という質問に対して)マジめっちゃわかりますそれ。あーやっちゃってんなって感じですよね(笑)。 【OK 得する説明】 (「日本の大企業で働くのってもはや時代遅れですよね?」という質問に対して)ご質問ありがとうございます。この件に関しては、大きく2つの側面からお答えさせていただければと思います。1つは、ご指摘の通り「日本の大企業で働けば人生安泰」という考えが通用しなくなってきた理由、もう1つは「それでもあえて日本の大企業で働く」という選択肢を取るべきケースについてです。

フレーズ2:[5バレット設定]今回お伝えたいことは、全部で5つです

仕事 ちょっと長めの話を伝えたいとき、どのように話すべきか悩んじゃいますよね。話をスタートしたはいいものの、途中で何を話しているのかわからなくなってしまうケースもあります。自分自身何を話しているのかわからないのですから、もちろん聞き手もわかりません。そのような迷走を防ぎ、聞き手に「ああ、今回はこれが伝えたいことなのね」と納得してもらうためのフレーズ、それが「5バレット(箇条書き)設定」です。  たとえば、最近では多くの方が関心を持っているであろう「転職」について話す機会があったとします。「転職について1時間話そう!」となったとき、5バレット設定をせずに話すと8割以上の確率で話が脱線します。私が何も計画せずに話したら、自分の若かりし頃のアホな失敗、上司や先輩にバチバチに怒られたエピソード、そうした雑談だけで1時間終わってしまいそうです。そうならないために、5バレット設定を使ってみましょう。 「本日は転職についてお話しさせていただきますが、今回お伝えしたいことは次の5つです。1つ目は、ここ10年間の中途人材の需要トレンドについて。2つ目は、その中でも特に価値が高いとされている中途人材の特徴。3つ目は、そのような人材になるために日々の仕事で意識しておくこと。4つ目は、転職を通じたキャリアアップのために明日からできること。5つ目は、おすすめのエージェントさんのご紹介です。これら5つのポイントを聞いていただくことで、転職に関する網羅的な理解、および明日からの具体的なアクションへの落とし込みをしていただければと思っています」  最初に5バレット設定で話を整理することで、話がとっ散らかることなく、わかりやすい説明を実施できそうですね。
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少なくするのはOK、多くするのはNG
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外資系デンタルケア企業の日本法人「Zenyum Japan」の代表取締役社長。「口腔ケア領域で、最高のSmileのための最高のサービスを提供し続ける」という会社のミッションを推進する傍ら、「グローバル企業の日本法人経営者」という新時代のキャリアを普及させるべく、講演や執筆活動に積極的に取り組んでいる。ツイッター(@TasukuIto5)、noteなどでも積極的に発信中。著書に『得する説明 損する説明』(SBクリエイティブ)

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