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山梨発「シャトレーゼ」は世界の“大衆菓子ブランド”になれるか?タイ担当者の意外な悩み

タイ人スタッフ発案の商品も

「海外で販売する商品の企画や販促は、基本的に日本の販促チームが決めますが、タイ人スタッフが発案した商品もあります。たとえば2022年に期間限定発売したマヨンチット(プラムマンゴー)のケーキがそうです」  タイの高級フルーツであるマヨンチットをのせたケーキは現地で大ウケ。昨年の好評を受け、今年2~3月にも同様のフェアを開催中だ。毎月季節のフェアを打ち出すことで、客数は伸びているという。タイでのSNS運用は、タイの販促チームの30代タイ人女性が担当している。
シャトレーゼ

マヨンチットケーキの生クリームショート 130バーツ(約500円)

「なにを発信すべきかは本部を交えて議論しますが、見せ方や伝え方の部分は彼女に一任しています。タイ文字のフォントを工夫したり、タイ語でかみ砕いた説明を入れたりすると、やっぱり反応が良いんですよね。現地スタッフはタイのお客様と弊社ブランドを繋ぐ存在でもあり、頼りにしています」

世界の大衆菓子ブランドへ

 今後はさらなるファンの獲得に向け、より深いレベルでの認知度向上を目指していく。 「単なる“日本のお菓子屋”ではなく、弊社の素材へのこだわりなど安心安全の部分についても深くお伝えできるよう力を入れていきます」  2023年4月にはベトナムの新工場が稼働を開始し、現地生産を増やす予定だという。 「タイでは来期中の10店舗達成を目指しています。他国での成功例でいうと、10店を超えたあたりで認知が一気に加速する傾向があるんです。長期的には、タイでも一般的な方々に受け入れられる大衆的なブランドになりたいですね」  海外でも “庶民の味方”になるべく、消費者に真摯に向き合い企業努力を重ねるシャトレーゼ。世界中の大人から子供まで、皆に笑顔を届ける日本のお菓子屋さんを目指し、同社の挑戦は続く。 <取材・文/日向みく>
バンコク在住ライター。岡山出身。キャリアやビジネスに関する取材・インタビュー記事をメインに執筆中。オンラインで日本の著名人取材も行う。世界41か国に訪問歴がある旅好きです。 Twitter:@pippirotta39
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