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狙いはボッタクリ店のあぶり出し?「パチンコ広告宣伝規制」改正は本当に‟緩和”なのか

パチンコ業界関係者が色めき立った昨年のクリスマス

パチンコ

出玉ランキングはOKのようだが…

 パチンコホールの広告宣伝界隈が何やら騒がしい昨今。パチンコ広告宣伝規制“緩和”を謳うメディアも多く、「出玉放出イベント告知の再来か!?」とか「設定発表復活か!?」と色めき立つファンも見られるが……。果たして本当に“緩和”なのだろうか?  始まりは昨年12月23日付けで警察庁保安課が各都道府県警察本部に対して発出した「ぱちんこ営業における広告及び宣伝の取扱いについて」という通達であった。  今年の1月25日には警察庁保安課が全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)、一般社団法人日本遊技関連事業協会(日遊協)、一般社団法人MIRAIぱちんこ産業連盟(MIRAI)、一般社団法人余暇環境整備推進協議会(余暇進)らホール4団体(パチンコホールのほとんどが加盟している4つの業界団体)に対し、この通達の趣旨説明を行った。翌26日、ホール4団体は加盟している各ホールへ「警察庁保安課長通達等を踏まえた広告宣伝の対応について」という文書を発表し、2月9日には「広告宣伝ガイドライン(第1版)」という全国共通のガイドラインを制定したのである。  この内容云々以前に、パチンコ広告宣伝のルールが改められたという事実だけで、パチンコ業界の人間は「“緩和”か!?」と思い込んでしまうというのだが、どういうことなのか。業界歴30年弱の事情通に話を聞いた。 「2011年の東日本大震災直後、パチンコホールは世間からバッシングを受けました。これを落ち着かせるべく、『ぱちんこ営業における広告、宣伝等に係る風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反の取締り等について』という通達を同年6月15日付けで行政が出します。  要するに『釘を開けます』とか『高設定を大量投入します』などの出玉放出イベントを規制して目立たないようにさせたわけです。しかしこれではホールに客が呼べないため、芸能人やパチンコライターを来店させて出玉放出を匂わすイベントを行ったり、隠語を使った高設定示唆をしたり。巧妙に規制から逃れようとしました」

経済活動の自由を奪うほどの規制とその抜け道

 だが、こうした規制逃れを行政も黙って見てはいなかった。 「行政としては当然、『目立つなと言っているのに何をやっているんだ!』となりますよね。すると約1年後の2012年7月13日付けで『ぱちんこ営業における広告、宣伝等に係る風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反の取締り等の徹底について』という通達を出すわけです。“徹底”ということからして、かなり厳しい規制となりました。市場競争という経済活動の自由を奪うほどの規制です。  それでもなんとか抜け道を探すホールに対して、見つけては叩く行政。その果てには『晒し屋』という普通のファンを装ったインフルエンサーによる何気ないツイートや、広告代理店が作った『でっちあげYouTuber』が動画撮影に行くという名目で出玉放出イベント示唆のステマをするといった、限りなく黒に近いグレーな宣伝手段が横行しました」  10年にも渡る行政とのいたちごっこの末、あまりにも広告効果の薄いものを強いられたホールに客が集まるわけがなく、閉店する店が続出。こうした状況下で発表された広告宣伝のルール改定となれば、“緩和”以外にありえないということなのだ。
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警察が異例の対応
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