“夜の街”の迷惑客。トイレを汚す、喧嘩する、「ノーマスク客との接客は不安」の声も
回転寿司店で醤油差しを舐める、うどん店で共用の天かすを直接食べるなど、飲食店での迷惑行為が相次いでいる。“客テロ”とも呼ばれる行動をする客は、まさに「迷惑客」である。
話を聞いたのは、都内のスナックでママを務めるアヤカさん(仮名・39歳)。昨年末は企業の忘年会も通常どおりに開催され、今月から歓送迎会の予約も入り始めたという。しかし、それと同時に迷惑客も増加しているのだとか……。
「久しぶりの宴会でハシャいで、お酒に呑まれてしまうお客さんが多かったです。酔っ払ってトイレで吐く、他のお客さんに絡んでケンカを始める……。つい先日もお客さん同士で盛り上がって一気コールをして酔いつぶれた人がいました。
お会計のときには起きるだろうと思っていたのですが、まったく起きる気配がなく、お連れの方も諦めて帰ってしまったんです。結局、営業終了後まで目覚めなかったので、そのままお店で寝かしておきました」
飲みに行く機会が減った中、すっかりお酒が弱くなってしまったのだろうか。だが、「酔いつぶれるのはまだマシなんですけれどね……」とママは続ける。
「1番困るのは、酔っ払って店の物を壊すことです。グラスくらいなら全然いいのですが、よろけてボトルが入っている棚にぶつかってお客さんのキープボトルが飛び出して割れたときは焦りました。また、お酒が入って暴れたお客さんに、店の立て看板が壊されたんです。常連のお客さんだと警察に突き出すわけにもいかないし、本当にどうしようもできませんね」
看板を壊した客に後日、そのことを話すと「全然覚えていない」とあっけらかんとしていたという。常連客が多い地域密着型のスナックでは客が迷惑行為を働いても強く言いづらいとママは言う。粘り強く交渉し、看板の修理代を出してもらうことで解決したというが、出禁にすることもできないのが辛いところだ。
一時は閑古鳥が鳴いていた夜の街も現在はにぎわいを取り戻しつつあるが、そこにも迷惑客は存在するのだろうか。
トイレを汚す、他の客と喧嘩する…
常連客には言いづらい
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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