「新千歳空港まで迎えに来て!」180km離れた旭川に住む友人を“パシろうとする”カップルの末路。ほかの友人たちにも見放されたワケ
夏は過ごしやすく冬は一面の雪景色が広がり、年間を通じて多くの観光客が訪れる北海道。だが、漠然と広いというイメージを抱いている人は多いが、九州の倍以上もの面積を有していることはあまり知られていない。
実際、札幌から函館、釧路にはJRの特急で約4時間もかかり、離島便以外で民間機が運行している唯一の自治体だ。
しかし、そうした正しい地理感覚を持っている人はあくまで一部。
そのため、札幌や空の玄関口となる新千歳空港からかなり離れた場所に住んでいるのに道外の友人・知人から「今度北海道に行くから迎えに来てほしい(泊めてほしい)」と無茶なお願いをされた経験を持つ人も少なくないようだ。
「新千歳空港から旭川って高速道路経由でも約180㎞も離れていて、東京都心からだと関東圏を出てしまうほどの距離です。
移動には3時間半かかり、往復だとほぼ1日潰れます。だから、友人から『新千歳空港まで迎えに来て』とLINEが届いた時は、思わず二度見してしまいました(苦笑)」
愚痴交じりに当時のことを振り返るのは、会社員の大沢亮之さん(仮名・33歳)。25歳のとき、旭川への転勤を命じられ、人生初となる北海道での生活を満喫。その様子はSNSで紹介していた。
赴任期間は3年におよび、友人たちには「よかったら遊びに来て!」と呼びかけ、実際に旅行のついでに会いに来てくれた友人もいた。だが、新千歳空港まで迎えに来るように頼んできたのは問題のHさんという中学時代の同級生だけだったそうだ。
「旭川駅や旭川空港まで来てくれるなら喜んで行きますし、そこまで送り迎えしたことは何度もあります。でも、Hは旭川からだとあまりに遠いことを説明しても《えーっ、そんなこと言わないで頼むよ》って。
そもそも同じ友人グループとはいえ、Hとは2人遊ぶことも飲みに行くこともなかった。だから、友人かもしれませんが、そこまで親しい仲じゃなかったんです」
しかも、Hさんは1人ではなく交際中の恋人との旅行。まだ大沢さんが知っている女性ならいいが、彼女との面識はまったくない。おまけに詳しい話を聞いてみると、到着日の宿泊先は旭川ではなく札幌市内のホテル。足代わりに使おうとしているのは明らかだった。
「まだその晩、一緒に飲もうと誘ってくるなら少しは理解できますが、『その日は彼女と2人で店を予約してるから……』と言ってきやがる。友人同士のことにメリットとか持ち出したくないですけど、私が迎えに行く意味はないじゃないですか。
そんなお願いを平気でしてくるHにも嫌気が差したし、新千歳空港からならJRの快速エアポートに乗れば40分ほどで札幌に行けるから、と返信して後は無視しました」
既読スルーされていることをHさんも気づいたのか、しばらくすると連絡が来なくなったが、それから3週間ほど経ったころに再びLINEが届く。
すでに北海道に来ていることを明かし、そのうえで《明日、旭川に行くんだけど、旭山動物園まで連れてってもらえる?》と一方的なお願いが書かれていたそうだ。
「旭川に来るなら迎えに行くとはHにも言いましたが、私に会いに来たわけじゃないですよね。《久々にメシでも食おうよ》とかならわかるけど、先日の一件について詫びの一言もないし、タダで使えるUberと勘違いしてるんじゃないかと本気でムカつきました。
まあ、この日は休日でしたが本当に用事があったし、すでに予定が入っていて都合がつかないと返しておきました」
俺はお前のお抱え運転手じゃない!
今度は前日に「旭山動物園に連れてって」とLINE
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ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
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