「“ノルマ”は毎月150万円」年間2000万円ホストに貢いだ23歳女性が、“ホス狂い”から卒業するまで
悪質なホストクラブによる多額の売掛金に苦しむ若い女性たちがいる。“ホス狂い”とも呼ばれるが、実際にホストの彼を支えるために1年間で2000万円以上も費やしてきたというのが強欲のモメたん(23歳)だ。
彼女は、家庭環境からうつ病を患い、リストカットやオーバードーズ(市販薬の過剰摂取)を繰り返し、精神科にも入院。寂しさからホストクラブ通いを始め、ホス狂いになったという。トー横や病み界隈と呼ばれるコミュニティに属しながら、どうやってホス狂いからは卒業したのだろうか。
——ホス狂いだったそうですが、ホストクラブに行くようになったのはいつからですか?
モメたん:高校を卒業した後に、看護学校に通っていました。学校を休学していた1年間は、不仲だった家族から離れるために岡山で治療していました。でも、体調は全然よくならなくて、線路に飛び込んで自殺未遂を起こしてしまったのです。そこから、また東京に戻りました。看護学校を休学していた時に、ホストクラブには行くようになりました。
——最初にホストクラブに通うようになったきっかけは何でしたか?
モメたん:歌舞伎町を歩いていたら、ホストに『なんでもおごるから飲みに行こう』って声を掛けられたんです。最初はホストだってわからなくて“カフェに行くのかな……”って思ってついて行ったら、ホストクラブだった(笑)。
——警戒心を抱きませんでしたか?
モメたん:自分の周りにはホストクラブに行っている子なんて全然いなかった。だからまったくわからない世界でした。私が『お金がないから無理だよ』って言ったら、『ここは大丈夫だよ』って言ってくれて、初回の飲み代はホストが全部支払ってくれたんです。
——そこからホストクラブにハマっていった……。
モメたん:そうですね。そこから寂しくなると、お店に行くようになりました。でも『結婚しよう』という感じになったホストは、最初にお店に連れて行ってくれた人とは別の人なんですよね。その彼は、元々はSNSで見かけた人で、すごく顔が好みだった。それでお店に会いに行ったら意気投合して、『結婚しよう』っていう流れになって。
——ホスクラ通いから結婚まで急展開ですね。
モメたん:すぐに一緒に結婚指輪を買いに行こうってなりました。でも指輪ではなくて、ルイ・ヴィトンのブレスレットをおそろいで買ってくれた。それまでそんな高いものをもらったことがなかったからすごく嬉しかった。今思えば、色恋営業をするための初期投資だったのかな……。
——ちなみにそれまでも、恋愛経験はありましたか?
モメたん:同じ年の彼氏とつきあったり、本当に普通の恋愛でした。でもホストの彼は、今までつきあった相手とは違って高いものを買ってくれたり、おしゃれなお店に連れて行ってくれたりして。しかも、私の家も彼の家も狭かったので、『もっと広い家に住みたいよね』という話になって、彼が新しい部屋を借りてくれたんです。
彼氏と同棲すること自体も初めてだったので、もちろん嬉しかった。彼が借りてきたマンションの家賃が25万で、家賃や光熱費を出してくれるって言ってくれて。でも、その代わりに『家賃がかからないなら、稼いできたお金を(ホストクラブに)全部使えるよね』って。
ナンパだと思っていたらホストの営業
ホストの「結婚しよう」を真に受けて

1
2
出版社やWeb媒体の編集者を経て、フリーライターに。趣味はプロレス観戦。ライブハウスに通い続けて四半世紀以上。家族で音楽フェスに行くのが幸せ。X(旧Twitter):@rizeneration
記事一覧へ
記事一覧へ
![]() |
『刺激中毒』 “病み界隈(トー横界隈)”から誕生した新世代のクリエイターが綴る、歌舞伎町での愛、そして生と死――。東京の片隅で愛を渇望する女の言葉は切なくも苦しい。計20篇の詩と28枚の絵を収録する。 ![]() |
![]() |
『わたしの全てにいいねして』 元“トー横キッズ”のアート女子が衝撃グラビア!! トー横をはじめ、ホストビルの階段、歌舞伎町タワー、ラブホテルなど、強欲のモメたんのゆかりのある歌舞伎町で撮影。巻末には、その壮絶な半生を語ったロングインタビュー付き。死の淵から、光り輝く場所へ舞い降りた“病み天使”が、令和のグラビア業界を席巻する!? ![]() |
【関連キーワードから記事を探す】
「“ノルマ”は毎月150万円」年間2000万円ホストに貢いだ23歳女性が、“ホス狂い”から卒業するまで
トー横・病み界隈に“居場所”を求めた23歳女性が踏み出した一歩「欲望に忠実な人間なので(笑)」
「親子2人で日本にきたけど、ずっと孤独だった」38歳のブラジル人男性が、“トー横と群馬”の往復生活を送るワケ
「俺、あそこで自殺する」と記者に連絡が……歌舞伎町の“自殺ビル”、甘い管理の実態
「トー横で取材した子が亡くなり、小説の結末を変えた」橋爪駿輝と呂布カルマが歌舞伎町の闇を考える
“年間2億円稼ぐホスト”が「ホストは自分も含めてみんな悪人」「立派な仕事ではない」と断言する理由
4浪して入った東京藝大を中退→“うっかり”で逮捕される→1400万円を空き巣で失う…月間1000万円を売り上げるホストが「歌舞伎町にたどり着くまで」の紆余曲折
「“ノルマ”は毎月150万円」年間2000万円ホストに貢いだ23歳女性が、“ホス狂い”から卒業するまで
八百屋バイトが「年収4千万円ホスト」になれたワケ。バイト経験が“ホスト成功のカギ”に
“薬剤師ホスト”が抱く壮大な野望「医療格差や患者のたらい回しといった問題を改善したい」
この記者は、他にもこんな記事を書いています