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『ポケモンスリープ』って何? 睡眠ゲームが注目される3つの理由

睡眠ゲームが注目される3つの理由

 それでは、どうして“睡眠ゲーム”が今注目され始めているのか、その理由を3つ考えていきたいと思います。

1 睡眠の計測・データ化が一般的になった

 現在、スマホやリストバンド型デバイスによる睡眠状態の計測が浸透しつつあります。加速度センサーと寝息の録音などによって、睡眠時間、レム睡眠とノンレム睡眠のリズムなどが計測でき、睡眠の質が測れるようになりました。ゲーム性がない実用的な睡眠アプリを試したことがあるという人も多いでしょう。  家電業界では、昨年パナソニックが寝室専用エアコン「エオリア スリープ」を発売。ベッドサイドのセンサーで入眠から起床までの温度をモニタリングし、スマホで寝返りを計測するなどアプリとの連携も併せて、理想的な睡眠環境を作ることをコンセプトにしています。  ほかにも、睡眠センサー付き電動スマートベッドや、睡眠リズムにもとづき入眠と起床を促す照明など、IoTブームと相まって睡眠家電市場は盛り上がりを見せています。  これまで“ぐっすり眠れた”という表現はありましたが、眠りの質は感覚的なものでした。それが数値化・データ化されるようになり、一般的な物事をゲーム化して習慣づける「ゲーミフィケーション」との相性も良くなりました。
Pokemon GO Plus +

睡眠の計測ができる『ポケモンスリープ』連携の新型デバイス「Pokemon GO Plus +」公式サイト

2 時間のパイの奪い合い

 ゲームに限らず、Netflixなどの動画配信サービス、VTuberが活躍するライブ配信、マンガ配信サイトなど、さまざまな娯楽があり、時間のパイの争奪戦はますます激しくなってきています。  そうしたなかで、いわば睡眠時間帯はブルーオーシャン。寝ている間にプレイヤーが何かをするわけではないですが、毎日のライフスタイルに組み込まれることで他の娯楽コンテンツとの差別化が図れます。移動している時間もプレイ時間と呼べる『ポケモンGO』も同様の狙いを持っていると言えます。
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“睡眠ゲーム”はどこまで進化する?
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ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も

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