「狂犬病抗体検査」で立ちはだかる困難
ステップ3は「狂犬病抗体検査(血清検査)」で、一番重要なステップ。ここでも子犬である筆者の愛犬は、狂犬病ワクチンの接種歴がないため、短期間に2回打たなくてはならなかった。狂犬病ワクチンの接種が完了後にようやく採血をおこない、抗体検査の測定できる条件が整った。
予防注射の接種リスト(※個人情報等は掲載されておりません)
しかし、ここでまた一難、狂犬病抗体検査をおこなえる機関は全世界で約30か所ほどしかない。筆者の居住国の台湾には当時、検査をおこなえる検査機関がなかったのだ。他国へ愛犬の血液サンプルを送るか、自身で血液の輸出許可を取って検査可能な国で検査依頼をするしかなかった。
コロナ禍で他国への行き来が非常に困難な状況下であったため、筆者は仲介サービスをおこなっている獣医へ依頼することに。仲介料(約5万2000円)を支払い、愛犬の血液をアメリカの検査機関へ郵送してもらった。
通常なら検査結果は1か月ほどで出るらしいが、コロナの関係もあって筆者は約2か月ほど検査結果を待つこととなった。もちろん無事問題ないという結果を受け取れたので、次のステップへ。
血液検査の後にやってくるのが、
ステップ4の「輸出前待機」。農林水産省の定めた手引書によると「輸出前待機は狂犬病抗体検査の採血日を0日目として、180日間以上待機をする」とされている。
要するに約半年間、居住する国から輸出予定のペットを出国させてはいけないのだ。その間、ペットを他の国へ渡航させたらカウントがリセットされてしまうので注意。この間は特にやることもなく、忍耐強く180日を今か今かと待ち続けるより他ない。
次に
ステップ5「事前届出の書類作成」に移っていく。手引書によると「犬・猫が日本に到着する日の40日前までに、到着予定空海港を管轄する動物検疫所に、「届出書」を郵送、FAX または電子メールで提出する」とされている。
筆者は渡航する約50日前から、事前届出の書類準備を整え始めた。輸入の届出は、NACCS(動物検疫関連業務)を利用してインターネットからおこなうことができる。必要書類を用意し、NACCSのサイトに作ったファイル上にワクチン接種日やら種類やらを1つひとつ記入していく。
実際の台湾から動物輸送申請用の書類
この作業が地味に大変だった。獣医が用意してくれた書類は全て台湾の公用語である中国語。しかしワクチンはアメリカ製のため、記載内容は全て英語で書かれている。それを読み解きながら、必要であれば日本語に訳しつつ記入していかなくてはいけないのだ。この時ほど、日本語以外の言語がわかって良かったと思ったことはなかったかもしれない。
航空券の予約はこの時点でしていなくても大丈夫らしいが、帰国日や便名を記載する欄が用意されている。とはいえ事前届出の提出後に内容を変更する場合、別途書類を用意しなくてはならない。二度手間になる恐れがあったため、筆者は航空券の予約もこの時点でしておいた。
京都府出身。大学卒業後、保険外交員として就職したが、編集プロダクションに転職・独立を果たした。コスメや美容が大好きで、YouTubeを参考に自分で比較してみるのが最近の楽しみ。またファッションにも興味があり、Instagramなどを参考にして研究中。いつか自分のブランドを作りたいという夢がある
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