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中古外車オーナーが苦心する「愛車のメンテナンス」。その一部始終

アクセルオフでクルマが減速しない問題2

 次に、「エアマスセンサー」ではない原因で、アクセルオフでクルマが減速しなくなった事例を紹介します。  私は4年前にベンツのW140型Sクラスを買ったのですが、購入してから「アクセルオフでの減速感」について、とても満足していました。  しかし、購入直後に履いていたタイヤは、生産から10年以上が経緯していたため、タイヤの交換を実施。その際、ネットでタイヤを購入して、持ち込み交換可のお店で取り付けてもらったのですが、その後から、アクセルオフでの減速感がかなり弱くなってしまったのです。  せっかくタイヤを新品にしたのに、乗り味が「悪く」なってしまい、私は原因の特定を考えたわけですが、この事例は結果的に、ホイールナットの締め付けトルクを変更することで改善しました。  私は、タイヤの取り付けを格安店にお願いしたのですが、そのお店ではナットの締め付けトルクがベンツの既定値ではなかったようです。結局、その後、ホイールナットの締め付けトルクをベンツの既定値にしたところ、クルマは見事に元の減速感に戻りました。  このような事例は他で聞いたことがないため、他のクルマにも合うかどうかわ分かりませんが、ホイールナットの締め付けを適正トルクで行う、というのは、そこまで高い工賃がかからないため、試してみる価値はあるといえます。

アクセル踏んでもクルマが思うように進まない問題

 ここまでは、アクセルオフ時の違和感解決事例を紹介しましたが、次は「アクセルを踏んだ際の違和感」についてお伝えします。  それは、アクセルを踏んでからクルマが進むまで、感覚的に少し遅く、クルマが気持ち悪い動きをするようなケース。例えるならば、ターボ車のターボラグのような感じで、アクセル踏んでいるのに、クルマに力が入るまで一拍あるというような感じです。  アクセルを普通に踏むとクルマがそこまで反応しないため、少し踏み足すと思った以上に、クルマがピュっと前に進んでしまうという状態。まさに、「リアルな反応」じゃないわけです。ただ、ターボラグほどの“間”はないため、そのクルマを毎日乗っているユーザーには気持ち悪い状態でも、故障箇所を診断する整備士目線では「それほど強い違和感」とはならないようです。  そうなった場合、ユーザーは「もうクルマが古いから調子が悪い」などと判断したり、クルマに詳しい方の場合、原因はATかもしれないからATFをトルコン太郎などで完璧に交換しよう、などと考えるかもしれません。  しかし、私の経験では、エアコンコンプレッサーを疑ったほうが良いと思います。  私の場合、アクセル踏んでからクルマが反応するまでに若干のラグが生じて乗りづらい、という状態になったことがあるのですが、それはエアコンコンプレッサーのオイル不足が原因のようでした。  ボッシュのACS751という機械を使うと、エアコンコンプレッサーのガスを回収⇒既定値で充填ということができるのですが、それだけでなくコンプレッサーのオイル回収⇒充填ということもできるのです。  問題のクルマをこのACS751を使って、エアコンガスを交換したところ、なんとオイル量が0だったことが判明。ACS751で施工後は、コンプレッサーオイルが充填され、以前のような「アクセル踏む⇒もたつく」という動きは全くもってなくなりました。その結果、街乗りでは、見違えるような調子のよい状態に変化し、とてもお気に入りの1台となったわけです。
ボッシュ

ボッシュのACS751という機械を使えば、高精度なエアコンガス交換、コンプレッサーオイル交換が可能

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「ハズレグルマ」だと手放す前に
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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