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65万円が330万円に! デイトナから始まった高級時計バブル、投資のプロが語る“30年の軌跡”

この30年の高級腕時計トレンドを振り返る! 腕時計投資家の斉藤由貴生です。 よく「次にどんな腕時計が流行る?」と聞かれることがありますが、「次」を考えるときに有効なのが、歴史だと思います。 ということで今回は、これまでの高級腕時計のトレンド変遷をお伝えいたします。 新品で売られている高級腕時計が「定価よりも高値で取引される」ようになったのは、1995年からといわれています。ちょうど30年分のトレンド変遷がお分かりいただけることでしょう。 ロレックス

1995年 ロレックス デイトナ

高級腕時計は、その名の通り「高級品」であるため、定価は高値でした。ゆえに、ただでさえ高い定価を相場が上回るなんて信じられないことだったのですが、それが1995年に実際に起きたのです。 その際、定価超えとなったのは、当時現行だったデイトナのステンレスモデル16520でした。 そして驚くことに、16520はそれ以来「一度も定価よりも安価」になることなく今に至っています。現在の相場は約330万円が最安値ですが、2000年頃の定価は65万円(税別)でした。 2000年頃における16520の新品実勢価格は120万円程度。当時の定価に対して「倍」近い相場だったのですが、その値段で買ったとしても、2025年現在までには「倍以上」になっている点が凄いといえます。

1998年 ロレックス エクスプローラー

デイトナの次に定価で入手困難、つまり「プレミアム価格」となったのがエクスプローラーです。 当時視聴率が30%以上となった大ヒットドラマ「ラブジェネレーション」。その作中で主演の木村拓哉が愛用する時計として目立っていたのがこのエクスプローラーでした。 当時の現行モデルである14270は、定価が34万円程度だったのですが、キムタク効果によって正規店では入手困難になり、1999年の新品実勢価格は60万円となっていました。 ちなみに、その後14270の相場は下落。特にリーマンショック後には21万円程度にまで下がりましたが、2025年現在では80万円台といった価格帯になっているため、結果的に持ち直したといえます。
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2002年 パネライ&フランク・ミュラー
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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