更新日:2023年06月20日 01:08
恋愛・結婚

「薬漬けの母」「愛人宅に入り浸る父」…複雑な家庭環境で育った女性と結婚した結果

勝手に退職、引きこもって家事もせず…

 ところが結婚生活が始まると、夏子氏は豹変した。 「まず知らないうちに勝手に退職して、家に四六時中いるようになりました。専業主婦なので家事を少しはやってくれるのかなと思ったのですが、自分が食べたものすら下げない有様です。料理は当然しません。たまに義母からクール便が届いて、中には冷凍食品がたくさん詰まっていました。  夏子はずっと家にいて夜中までゲームをやっているので、話し合いを試みると『私は鬱病なんや!』とこれまで見たこともない剣幕で怒るのです。書棚から本を抜いて投げたり、食器を割ったり、とにかく手が付けられません。そんな日が何週間も続きました。夏子の部屋からは、よくわからない薬袋がたくさん見つかりました」

「お前らのことは異常だと思ってる」と…

 熱い思いで結ばれたと思った結婚も、蓋を開けてみれば腫れ物との同棲でしかなかった。遠藤氏は、夏子氏が比較的落ち着いているある日、再度話し合いを試みた。 「夏子は遠藤家の親戚づきあいの濃さを非常に嫌悪していました。『常々お前らのことは異常だと思ってるんや』との暴言に、言葉を失いましたね。確かに遠藤家は仲が良く、わりと頻繁に顔を合わせますが、それは婚前に伝えていましたし、出席を強要したこともありません。  また、私は自分の家にするように岩井家の皆さんと接してきましたし、それを夏子も喜んでくれているようでしたが、本心は違ったのかもしれません」
次のページ
壁に頭を打ち付けて病院送りに…
1
2
3
4
5
6
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ