更新日:2023年06月20日 01:08
恋愛・結婚

「薬漬けの母」「愛人宅に入り浸る父」…複雑な家庭環境で育った女性と結婚した結果

壁に頭を打ち付けて病院送りに…

 ヒートアップした夏子氏は仰天の提案をしてきた。 「もうあらゆる親戚づきあいを絶って、誰もいない場所で二人だけで暮らしたい……そう真剣な顔で言われたときは、逆に夏子が心配になりました。当然、即座にそんな提案は却下しましたが。自分を育ててくれた人たちを全部『切れ』というのはやや横柄かなと思います。彼らに育てられた私を好きでいてくれたはずなのに」  結局その日の話し合いは平行線が続き、夏子氏が壁に頭を何度も打ち付けるなどの奇行に及んで流血。そのまま救急車で搬送されたため、立ち消えになった。数日後、やはり二人は別居することが決まった。このとき、すでに遠藤氏は離婚を見据えていたという。

義両親から「一日何十回」も着信が

 だが話はこれで終わらない。義両親からの一日に何十回という着信が遠藤氏を悩ませた。 「最初は義父も『なぁ武士くん、何とかならんか』という説得的な口調でしたが、私の心が決まっているとわかると、恫喝に変わりました。現職の警察官の罵倒って迫力がありますよ。たまに冤罪事件が話題になっていますが、少し気の弱い人ならすぐに『私がやりました』って言うでしょうね。ただ、十数年の不倫の末に家族を不幸にした人が放つ『娘を泣かせやがって』には、『どの口が』と苦笑しましたが。  義母も『結婚というのは我慢の連続で……』と毎回変わり映えのしないフレーズで、後半は着信があっても出ませんでした。ご自身の結婚生活は我慢の連続だったかもしれませんが、押し付けるのは違うと思いますし、何より我慢させている側が言う言葉ではないと思います」
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義父の不倫はウソだった?
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ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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