更新日:2023年06月18日 10:09
エンタメ

胸がアツくなる“父と子”の感動作…。「父の日に観たい映画3作品」の見どころを解説

 6月18日は「父の日」。なぜか「母の日」より忘れられがちな父の日だが、父親がどんな存在なのかを考えるいい機会になるのではないだろうか。 『ライフ・イズ・ビューティフル』『96時間』『クレイマー、クレイマー』など、印象的な父親を描く洋画は多くあるが、日本にも父親を中心に描いた映画がたくさんある。年に一度の父の日、お父さんや親子愛にちなんだ邦画を観てみてほしい。

父性の芽生えを描いた映画『そして父になる』

映画

映画「そして父になる」公式サイトより

 まず紹介したいのは、2013年公開の『そして父になる』。この作品を手がけた是枝裕和監督は、同作の5年後に公開された『万引き家族』や、今月公開され話題を呼んでいる『怪物』など、日本アカデミー賞やカンヌ国際映画祭で数々の賞を獲得していることは周知の通りだ。  学歴、仕事、家庭、すべてにおいて完璧な一流企業に勤める良多(福山雅治)は、亭主関白で子育ては妻に任せっきりの父親だった。ある日産院からの連絡で、6年間育てた息子が取り違えられた他人の子どもだったことを知る。妻のみどり(尾野真千子)が自分を責める一方で、良多は、なんとなく息子に抱いていた不満の意味を悟る。  戸惑いを隠せないままに相手方の斎木夫婦(リリー・フランキー、真木ようこ)との交流が始まるが、そううまくは進まない。早い方がいいと言う良多と、息子に愛情を注いできたみどりと、温かい家庭を築いていた斎木夫婦は、それぞれに育ててきた子を手放すことに苦しむ。ついに“交換”が決まって、そこから良多の“父”としての葛藤が芽生え始める——。

「父親が“父親”として成長していく過程」が見どころ

 作品では、2人の父親が子どもにどう接しているのかが随所で対比され、父性というものが浮き彫りになっていく様子と、子どもたちの無垢な心の揺れや戸惑い、怒り、不安が描かれている。「産みの親より育ての親」を押し付けるようなこともなく、父親が“父親”として成長していく過程に心を打たれてしまう。血のつながりか、過ごした時間か、究極の選択を迫られる二つの家族。愛や絆、家族とは何かを問う感動のドラマだ。
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当たり前の幸せがストレートに描かれた『南極料理人』
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興味や思考・気づきを活かすエンタメ系ライター。『エンタメNEXT』『NewsCrunch』などでも執筆。エンタメ以外の趣味は散歩。話を聞く・会話をすることが好き。Twitter:@moeeeee_k
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