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草彅剛主演ドラマ『罠の戦争』でコミカルな演技が光る俳優「坂口涼太郎」の表現力に迫る

坂口涼太郎さん

「坂口涼太郎」Twitterアカウントより引用

 草彅剛主演ドラマ『罠の戦争』(フジテレビ系)が3月27日にいよいよ最終話を迎える。初回放送後から毎回Twitterのトレンド入りを果たすなど話題の多い本作。名だたる俳優陣の中、重い雰囲気のドラマに体育会系のノリでクスッと笑える要素を添えているのが、鷲津亨(草彅剛)の政策秘書・貝沼永太(坂口涼太郎)だ。  貝沼役を演じる坂口は、本作だけではなく、数々のドラマや映画に引っ張りだこの名バイプレイヤー。持ち前の雰囲気と個性あふれる演技力で、話題に上がるのも納得だ。さらに、ダンサーやシンガーソングライターとしても活躍しており、俳優以外の面でも高い評価を得ている。  4月からスタートする連続テレビ小説『らんまん』(NHK)、『ホスト相続しちゃいました』(フジテレビ系)への出演が決まっている坂口。今回は改めて、“クセメン(=クセの強い)俳優”と称される彼の演技力を紐解いてみたい。

クセメン俳優の異彩を放つ演技力

『罠の戦争』では、疎まれていると思い込んでいた鷲津に政策秘書を任されてから、見違えるような働きぶりを見せた。偉い人には媚びる、持ち上げると分かりやすく頑張ってしまうそのキャラクターは、第二秘書の蛍原(小野花梨)や私設秘書の蛯沢(杉野遥亮)とは違うカラーで、異彩を放っている。  坂口はSNSにも積極的で、ドラマ公式TikTokでは主題歌『BETTING』にあわせてキレのあるダンスを披露。彼がアップする現場の雰囲気や彼の良さが伝わる写真・動画を心待ちにしていた視聴者も多いのではないだろうか。  坂口は、2007年に森山未來主演のダンス公演『戦争わんだー』にダンサーとして出演し、初舞台を経験。俳優としてのデビューは、2010年公開の映画『書道ガールズ!! わたしたちの甲子園』だった。

オーディションで「扉を開けた瞬間に決定」した作品

 特に話題となったのは、2016〜18年公開の映画『ちはやふる』シリーズで演じた木梨浩(ヒョロくん)役。「原作どおりのビジュアルだ」と、多くの人の注目を集めた。当時、同作の舞台挨拶に坂口と登壇した小泉徳宏監督が、「ヒョロくんは(オーディションの時に坂口が)扉を開けた瞬間に決定だな、と。まさかこのクオリティが来るとは思わなかった」と絶賛したほどだった。  その他、2019年放送の『なつぞら』、2020年放送の『エール』『おちょやん』と、朝ドラにも多数出演。『なつぞら』では新人アニメーター・中島を演じ、映画『ちはやふる』以来に女優・広瀬すずと共演した。重要な鍵を握る役でこそなかったものの、独特の存在感で脚光を浴びたことは間違いない。
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“おかっぱヘア”にしたことをきっかけに表現力を発揮
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興味や思考・気づきを活かすエンタメ系ライター。『エンタメNEXT』『NewsCrunch』などでも執筆。エンタメ以外の趣味は散歩。話を聞く・会話をすることが好き。Twitter:@moeeeee_k
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