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60歳を迎えた六角精児が語る「3回の離婚は修行。辛いことだけじゃない」

失敗を乗り越える方法は「慣れ」

六角精児――テレビや映画、舞台とさまざまなジャンルで活躍されていますが、仕事の失敗で落ち込むこともありますか。 六角:仕事で落ち込まないというと嘘になる。読者の皆さんもそうでしょう。だけど落ち込んでも仕事はしなきゃいけないし、僕ら役者は芝居を続けなければいけない。  失敗を引きずらないようにするには「慣れ」しかないと思います。いっぱい失敗して、いっぱい慣れる。大事なことは、同じ失敗を繰り返さないことです。「次は全力で挽回する」という気概を持つんです。  実は最近、舞台で大事なセリフを言い間違えたことがありました。それを間違えたら、ストーリーがひっくり返っちゃうくらいの結構な失敗です。「やっちゃった」と心で思いながらも、最後まで演じ続けました。  その後、次の舞台ではぜったいに間違えない、と何度も練習しました。すると、今までで一番いい演技ができたんです。失敗しても気にしない、でも失敗した内容は覚えて、次に生かす。その繰り返しですね。60歳になっても僕はいろんな失敗をしています。だからみなさんも大丈夫ですよ。たいていの困難は、たいてい乗り越えられますから。 <取材・文/橋本岬 撮影/星亘> 【六角精児】 1962年6月24日、兵庫県生まれ。学習院大学中退。1982年に劇団「善人会議」(現・扉座)の旗揚げに参加。主な劇団公演に出演し、その後ドラマや映画などでも活躍。2009 年「相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿」で映画初主演。大劇場から小劇場まで幅広くこなす役者ながら、鉄道好きでも知られ、ミュージシャンとしても「六角精児バンド」で2枚のCDをリリース。2022年には初のソロアルバム「人は人を救えない」を発売。現在、NHKラジオ第1の生放送番組「ふんわり」木曜日のパーソナリティーを担当、ドラマ「シッコウ!!~犬と私と執行官~」(テレビ朝日系、7月4日21時スタート)に出演。新刊『六角精児の無理しない生き方』発売中
IT企業の広報兼フリーライター。元レースクイーン。よく書くテーマはキャリアや女性の働き方など。好きなお酒はレモンサワーです
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