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「15年で300店舗」串カツ田中が成功を掴んだ3つの要因

「3つの要因」で成功を掴む

串カツ田中が東京で成功した要因は3つ考えられます。一つ目は東京において大衆串カツ屋がブルー・オーシャン市場だった点です。串カツの発祥は東京とはいえ大阪の下町や観光地に根付いた文化であり、東京では普及していませんでした。 むしろ、アルコールとの相性が良い串カツが東京でも受け入れられたのは必然の流れだったのかもしれません。ちなみに「ビザーラ」の株式会社フォーシーズが運営する「串カツ でんがな」も串カツ田中と同じく2008年から都内で店舗数を増やしました。

敷居を低くさせる「外観」と開放的なつくり

二つ目は店舗外観と低価格である点です。串カツ田中の店舗は白のシンプルな看板と店内が見える一面のガラス窓、そして置いただけの丸椅子が特徴です。こうした外観は敷居の低さをイメージさせ、安く飲みたい消費者を惹きつけたと考えられます。 また、外から店内が見える開放的なつくりは安心感をもたらし、居酒屋でありながら家族連れにもウケたようです。実際に低価格な点も魅力的で、一人2,000円代で満足に飲み食いすることができます。 そして三つ目は2010年代後半からの“大衆酒場ブーム”です。 もともとは男性客や肉体労働者向けだった大衆酒場が若者や女性客、カップルなど幅広い層にも受け入れられるようになり、SNSやテレビでも話題となりました。大衆酒場として位置づけられる串カツ田中もこのブームに乗ったと考えられます。 また、近年では珍しくクレジットカードには対応しない(一部店舗除く)方針も運営費用の削減に貢献しました。こうした低コスト体質も店舗数拡大の原動力となっています。
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2022/11期には業績がV字回復
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経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_

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