お金

39歳男性、“お坊さん”なのに必死でお金を稼ぐワケ。カフェバー&エステサロン経営、ミュージシャン、ヘアメイクetc.

 昔から「坊主丸儲け」という言葉が存在するくらい、日本人は寺院や僧侶が金銭を得る行為に対して批判的だ。しかし、近年では檀家離れにより困窮する寺が増え、僧侶が生活のために副業をせざるを得ないケースも増えた。とはいえ、やはり聖職者が他に仕事を持つことに、違和感を覚える人は多い。  京都市在住の水谷了義さん(39歳/Twitter:@tgryogi)は、僧侶でありながら、カフェバーやエステの経営、ミュージシャン、ヘアメイク、DJ、雅楽演奏者、法話漫才と、あらゆる方面で活躍している。過去にはリーマンショックで全財産を失いかけたこともあるそうだ。  宗教者がお金を稼ぐことに批判的な現代で、水谷さんは「坊主が金稼ぎしているんじゃない、私が金稼ぎをしているんだ」と豪語する。その発言の裏には、破天荒な生き方をしてきた彼ならではの哲学があった。  

父の病気がきっかけで、12歳でお坊さんの資格を取る

水谷了義

水谷了義さん

 浄土真宗本願寺派の僧侶である水谷さんは、1983年に京都市内の寺院の長男として生まれた。出家したのは、12歳の時だ。 「本来ウチの宗派では、16歳にならないとお坊さんの資格を取れません。私は特例でした。住職である父が心臓病で体が弱く、先のことを考えて早めに出家しておいたほうがいいという話になって。子供の頃から『自分はお坊さんになるんやろな』と思っていたので、自然と受け入れた感じです」  今では寺の子息として生まれても、継がないという選択肢を“選べる”ようになった。しかし水谷さんが子供の頃は、“選べない”時代。寺に生まれた限り、跡を継ぐのが当たり前だった。

音楽の専門学校に進学するも、夜遊びが原因で極貧生活に

水谷了義 出家ののち、実家を手伝いながら高校に通っていた水谷さん。お坊さんとして生きつつ、個人としての夢も持っていたという。 「X JAPANのhideに憧れて、『音楽で成功して食べていきたい』と思っていたんですよ。高校は留年がきっかけで中退したので、すぐに大検(※現在の高等学校卒業程度認定試験)を取って、18歳で大阪の音楽専門学校に入りました」  進学を機に実家を出て、友人とルームシェアを始めた。しかし、遊び好きな性格が災いして、極貧生活を送るはめになってしまう。 「生活費は自分でまかなっていたんですが、お金が入るとすぐ遊びに使っていました(笑)。同居人と一緒に、毎晩遊び歩いていましたね。だから、ガスや水道、電気がしょっちゅう止まっちゃって。ついには家賃も滞納するようになったので、見かねた先輩が仕事を紹介してくれたんです」
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手に職をつけるためにダブルスクール
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福岡県出身。フリーライター。龍谷大学大学院修了。キャバ嬢・ホステスとして11年勤務。コスプレやポールダンスなど、サブカル・アングラ文化にも精通。X(旧Twitter):@0ElectricSheep0、Instagram:@0ElectricSheep0

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